yzさんの映画レビュー・感想・評価

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ノーマ、世界を変える料理(2015年製作の映画)

4.0

2024.09.13
久しぶりに再見。編集エグくてめっちゃドラマ。その上でレネとnomaの哲学、クリエイティビティも興味深いので面白い。ただ東京来た時のドキュメントの方が料理についてはもっと見れる。
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.5

小学生の時に読んでたなぁと突然思い出したので観た。良作。懐かしすぎ。記憶だともっとポップな気がして本作はかなりハードな側面が強くなっていると思うけど1本の映画として良い。さすがの吉田玲子脚本。

読ん
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.8

正直苦手なゴダールだけどこれは割と大丈夫だった。彼の作品を観るのが久しぶりだから私が変わったのか、この作品の特徴ゆえかは分からないけれど。

いきなりゴダールが苦手と言い放っているけれどゴダールに明ら
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ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

5.0

(私はその行為を逃げると呼ぶことを否定し、もっとポジティブな語を割り当てたいと願うけど)
「逃げる」ことを肯定してくれてありがとう。
「想像力」を信じ続けてくれてありがとう。

物理的な実際の「孤独」
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.7

待望の山中瑶子監督の長編。

最初のズーム、カナの歩き方、カフェでの「紙ストロー」や話を聞いていない表情の時点で面白さと好きを確信した。

「映画」が世界を切り取る時のマジックと
フレーム外も含め元来
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.5

坂元裕二の『それでも、生きてゆく』
山田尚子(大今良時)の『聲の形』

罪と謝罪、赦しそして対話。
作劇上、意図的なつまらなさと不快感。
学校そしてこの社会全体の狭さ、そこにある仲間意識の確認の為の暴
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きみの色(2024年製作の映画)

4.5

真面目に語る前に余談。
ラストうっすらとうるうるしながら観てたらいかにも「ミスチル」なサウンドが鳴り出して笑いそうになった。別に全く悪いバンドではないしなんなら好きな曲/アルバムも色々あるけどいくらな
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天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

5.0

遂に初めて観た。爆裂傑作。超エンタメなのにしみじみ面白いと染み入った。
男の子主人公の身体の延長としての機械扱いとヒロインから向けられる好意で成長を描く物語にそこまで惹かれないはずなのに、その手の作品
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Garden of Remembrance(2024年製作の映画)

4.5

山田尚子×ラブリーサマーちゃん、最高。
実写的なカット、ものの造形とアニメ的なカット・カメラワークや抽象世界の行き来が天才的。アニメーションの快楽と音楽の良さが最大化されている。
生活と記憶。時間の複
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セルロイド・クローゼット(1995年製作の映画)

-

ハリウッドにおける同性愛表象史について勉強。

Netflix『トランスジェンダーとハリウッド』は明らかに本作のトランスジェンダー版をやっている。

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

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「Call me by your name and I'll call you by mine」。その行為、声に宿る大きな大きな愛に、心が一杯になった。こういうのを愛と呼ぶんだと思った。他にも良いとこ>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.6

めちゃくちゃ面白かった。そもそも出来事が進んでいくテンポが良いことに加えて画面上に現れるものの見せ方のリズムの良さや配置の妙を感じた。そしてサスペンスとして全然展開が読めなくて結論に驚きと納得があって>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.5

主題を考えると映画館で観るべきだった傑作。社会派歴史サスペンスとしての強度の高さに感服。人間ドラマとしても上質で良い人間造形。主人公の存在、特性があるキーワードを強調する為に見えてしまう面もあるのだが>>続きを読む

ECCE(2024年製作の映画)

3.7

金子監督には注目しておこうと思う。
正直訳わからなさが強いけど、ルックや発話のトーンが作り出す不気味さ、扱われる題材の現代性は間違いなく面白みとして挙げられる。また草野なつかなどが試みている「映画と身
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

1.0

私は全く面白いと思わないし全く評価しない。
①日本(の田舎)的な嫌いな価値観と②日本アニメーションの嫌いな想像力が詰まっている。
人間が人間として生きられず物語の駒でしかないペラペラな存在だし演出も冴
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

1.0

POV、ファウンドフッテージ、モキュメンタリーなどと呼ばれる手法にとって歴史的な一本だと聞いていたから遂に観たけど全然面白くなかった。とにかくフリが長くつまらない上に、溜めて溜めて訪れる終盤の展開も物>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ性格悪い作品なのに、過剰に裁く/嘲笑する様な視点はなく肯定否定どちらもしない姿勢を取る映画(=作り手)なのが良い。皮膚感覚の痛み描写も心的なイタさ描写もなかなかの達成度。

承認されたい欲
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ラストマイル(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

良くも悪くも「テレビドラマの延長としての映画」感は否めず映画1本としての不満点もあるもののそれなりに面白く、テンションの上がる面は間違いなくあった。
事前に、出演は本当に少しと聞いていたけど「せっかく
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

2.8

最高の前半と失速の中盤以降。
あらすじを見て期待した通りの映像的な刺激と快楽をくれる前半にどうしたってテンションが上がるのだがそこがピークであった。最後まで右肩下がりに熱量が下がっていく。その中盤以降
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.8

後の作品たちの刺激の強さからどうしても物足りなさを覚えるものの古典的名作だと言える。物語が恐るべきスムーズさで始まり、クローズドな環境での攻防へと移行。ここで人間同士の争いの側面が強かったのが退屈さの>>続きを読む

ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)

4.0

小中学生の頃熱中して読んでいた複数のシリーズの中でも特に好きだったのが本作の原作から始まる作品群。人物たちの名前は結構覚えていた。英治、相原、純子、ひとみ等々懐かしく感慨深くなった。展開もなんとなく覚>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

3.7

想像と全然違って拍子抜けな面もある。
最高と最低が同居した奇妙な作品だった。
カメラのポジションと移動、長回しのセンスが本当に良い。

最高のオープニングで始まる。
しかしその後ははっきり言って「退屈
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マチルダ(1996年製作の映画)

5.0

ディスク欲しくなるくらい好きだった。
素晴らしかった。出会えて嬉しい。
本当に腹が立つくらいムカつく親と校長の強烈なキャラに対して痛烈に復讐するのがカタルシス炸裂ですごく痛快だった。ポップでコミカルな
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

4.4

確実に今より暑くないとはいえ「日本の夏」が記録されたフィクションを観られて嬉しい。

幽霊と生者の境が曖昧になり前者を恐怖の対象として扱わない作品が好きだから、(英雄は色々思いながらも)普通に時間を共
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.4

物語において謎に聖人ステレオタイプを作られてきたケアワーカー、レズビアン(セクシュアルマイノリティ)、小人症(病人)、高齢者らを、そう扱わずそれぞれ明確な強い意思を持った悪い奴らと描いている点が良い。>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

2.0

古典的な親子の物語にA24そして現代らしいポリティカルさを加えて。

二人とも自分のことしか考えていないのは物語として良いと思う。「世界」という言葉の持つ多義性は面白く良い題。しかし彼が好きになる子(
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夏の終わりに願うこと(2023年製作の映画)

2.0

今日の私にはほとんどハマらず。
まず私にしては珍しく、基本的にドラマな劇的展開が訪れず淡々と進んでいくことにノレなかった。また大人たちの感情も感情としては十分に理解出来るのだが、それが表れる行動に対し
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

4.0

サスペンス味の真っ直ぐジュブナイル。ラストの衝撃展開も途中で予想はつくので、衝撃の度合いは薄れるとはいえインパクトがある良いエンド。総じてこの手の作品に求めている期待通りの味わいをくれるので満足。強い>>続きを読む

ツイスターズ(2024年製作の映画)

5.0

大傑作。面白いこと自体は期待通りだけどその面白さは期待を何倍も超えてきた。死ぬほど面白くて何度もガッツポーズしたくなった。終わって外に出たら夕立の黒い雲が近くにあって雷鳴と風が轟いていたのも含めて完璧>>続きを読む

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

予想外に傑作。めっちゃ面白いしかなり好きだった。ポップにアイドル映画をやりながら中身を見れば真っ当な社会派映画でもあるバランスが気持ち良く、作品の質を高めている。文学と新聞報道の差異のテーゼは「映画」>>続きを読む

人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした(2023年製作の映画)

4.5

穐山監督に興味があって鑑賞。傑作でした。
この話を語るのに、現在の元アイドル俳優の中で屈指の実力を持つ深川麻衣を主演に据える事がまず鋭い。魅力と実力が炸裂しているし、井浦新・松浦りょう等の周囲のキャス
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左様なら今晩は(2022年製作の映画)

2.0

『A GHOST STORY』が大好きなのでどうしても比較してしまったが非人間存在を眼差すことにも関心があるので、作品内世界において生者と幽霊の境目がなくなる対等に扱われる様なシーンはまあ肯定的に観た>>続きを読む

オーファンズ・ブルース(2018年製作の映画)

3.7

惹かれる要素はあるとはいえ物語内容に対して面白いと言い切ることは難しい。だけれど汗の背中や表情のクロースアップ、海の青に自然の緑を切り取るショットからパワーを感じ続けた。(撮影は谷村咲貴さん、覚えた)>>続きを読む