zhenli13さんの映画レビュー・感想・評価

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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.9

ずいぶん以前に観たのにどこにも感想書いてなかった。息苦しさと嫉妬で見たくないみっともなさに満ちてるのに観ずにはいられないファスビンダーよ。

恐怖のまわり道(1945年製作の映画)

3.7

ずっとモノローグで進行か〜と思ったらそれが嫌ではなかった。回想の中の回想がある。これが連鎖し入れ子状になっていくとヴォイチェフ・イエジー・ハスの『サラゴサの写本』になる。バックミラーの形のワイプがぽや>>続きを読む

刺青一代(1965年製作の映画)

4.4

滅茶苦茶面白かった!かっこよすぎる!しびれる!
花ノ木寿が斬られ石畳がさーっと赤く染まるところから清順節全開で木村威夫の美術が冴えまくる。兄貴ぃ!と人夫たちが高橋英樹に詰め寄ると雷鳴とともにスポットが
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ホテル・ニューハンプシャー(1984年製作の映画)

3.4

昔からずっとハイスクールバカコメディだと思い込んでスルーしてた。だって80年代だしロブ・ロウだし。
素敵なんだろう。きっと素敵なんだろう。としか言えないのは…
原作読んでないからわからないけど、集団レ
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夜歩く男(1948年製作の映画)

3.6

実録モノの体をとるナレーション以外はほとんど無音のままの謎解きが粛々と淡々と華もなく進行し却って緊張感増す。それが最後の最後に地下水道の残響と陰影。そのコントラスト。犯人の動機や背景はほとんどわからず>>続きを読む

人間に賭けるな(1964年製作の映画)

3.6

『競輪上人行状記』ワンシークエンスのみの登場で圧倒的だった渡辺美佐子のスピンオフということでどうしても比較してしまうところはあったが、終始『人間に賭けるな』というタイトルどおりの展開で面白かった。なん>>続きを読む

子供の四季 秋冬(あきふゆ)の巻(1939年製作の映画)

4.5

「子どもは真っ直ぐ向いて、大手を振って歩いてればいいんです」
『春夏の巻』よりさらに物語の機微が際立ち、その機微をなぞるショットが切なすぎる…走る子どもたちに追随しズームアウトしていくカメラ、しかし金
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子供の四季 春夏(はるなつ)の巻(1939年製作の映画)

4.5

ここにも清水宏のエッセンスが満ちている!序盤から落涙。駆ける子ども群像の後ろ姿、部屋から部屋への移動、ロングショットによる山や川や牛や子ども、ディゾルブのジャンプカットなど、清水宏の看板とも言えるしび>>続きを読む

イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)

3.9

好きです!無条件!
『パーソナル・ショッパー』も無条件に好きで、その系譜。1回しか観てない『デーモン・ラヴァー』や、好きなのに総じてみると微妙な『クリーン』の系譜でもある。
本作を機にアサイヤスと結婚
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バウンド(1996年製作の映画)

3.8

『テルマ&ルイーズ』を観ながらこの『バウンド』のことを思い出していた。本作は『テルマ&ルイーズ』より数年後だから比較するのもアレだが、ジーナ・デイヴィス=テルマの成長譚というか彼女が徐々に意志をもって>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.5

もう30年も前の映画になるのか。私が本作を観たのは浪人生の頃だったと思う。じつはあまり印象に残っていない。というかしっくりこないところがあったのだと思う。
というわけで30年振りに観返してみた。
なん
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召使(1963年製作の映画)

4.3

『愛の嵐』のダーク・ボガード大好きマンにはたまらない作品だった…主従関係の顚倒をいやらしくじわじわとばっさりと。これでもかと言わんばかりに作り込まれたダグラス・スローカムのカメラワーク、広角で歪み気味>>続きを読む

女群西部へ!(1951年製作の映画)

4.3

DVDジャケットのあらすじ(いわゆるネタバレをしている)読んだ時点で「このプロット面白くない訳がない…てかキャプラの脚本勝ちか?」と期待した以上に面白く、BGMも一切無くのんびりと静かに進行していき、>>続きを読む

元気で行かうよ(1941年製作の映画)

3.4

1941年公開とは思えないくらい牧歌的なこの松竹映画は、山が金鉱であることが科学的に証明されるエピソードをして、山師の父河村黎吉の夢を信じ小遣いの仕事で上司から借金してまで純粋に父へ奉仕し続けた少年が>>続きを読む

黒木太郎の愛と冒険(1977年製作の映画)

3.9

群像映画としての、また裏返しの反戦映画としての力が後半ぐんぐん沸き上がってきて、予想していたよりうんと好かった。三國連太郎の最期と回想シーンの哀れさがあっという間に胡散霧消したかに見えてラストであのよ>>続きを読む

ベルリンのリュミエール(1995年製作の映画)

3.7

エジソンのキネトスコープは独りの世界に没入する「のぞきからくり」方式であったのに対し、リュミエール兄弟のシネマトグラフもスクラダノウスキー兄弟のビオスコープも、大勢が一ヶ所に集って同じものを体験し共有>>続きを読む

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)

3.6

『ロング・グッドバイ』と続けて観た。レイモンド・チャンドラーの原作を読んでないのだけど、全編にわたりロバート・ミッチャム=フィリップ・マーロウのモノローグでつないでおり、原作そのままのセンテンスを台詞>>続きを読む

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.2

出だしとラストが最高だった。有り体に言えば好きだ。全編に漂う、解決することを期待しないぐだぐだゆるゆるとした不穏さからそりゃ『3人の女』も撮るだろうな〜と思わさせられる。カメラが95%くらいじわーふわ>>続きを読む

ラビッツ・ムーン(1950年製作の映画)

3.3

1950年版と1979年版があるらしいのだけどYouTubeに落ちてる1950年版は音楽がどれが正解だかわからん。音楽抜きで言ったら倍速か普通速かで印象はガラッと変わる。倍速の1979年版の方がメリエ>>続きを読む

プース・モーメント(1949年製作の映画)

3.1

ケネス・アンガーの祖母が20年代ハリウッドの衣装係で実際にクララ・ボウなどが着用していた衣装をヒラヒラさせてるとか、出演している女性はこののちメキシコ大統領の愛人になったとか、作品にまつわるエピソード>>続きを読む

花火(1947年製作の映画)

3.3

花火ってそういうことか〜
ファスビンダーの『ケレル』を思い出さずにはいられない。17歳で、しかもヘイズコード全盛の40年代と考えると色々すごい。

デッドゾーン(1983年製作の映画)

3.5

グロいのが苦手なのでクローネンバーグは『スキャナーズ』と『裸のランチ』しか観てなかった。『ヴィデオドローム』や『ザ・ブルード』なども観ておきたいとは思いつつ勇気が。
しかも『スキャナーズ』は割と最近観
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早春(1956年製作の映画)

4.2

大変面白かった。他の小津監督作品とまったく印象が違うのは、主題だけでなく照明の使い方が大きいように思う。影が濃い。
奥行きがいつもより深くやや雑然とした池部良と淡島千景の暮らす部屋は、つねにビネットの
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

3.2

BS12 日曜アニメ劇場でかかっていたのを作業しながら見てた。
京都サブカルを中心としたサブカルガジェットを散りばめることでその界隈の共鳴を得ようとしているのかな〜という感想。中村佑介原案の作画は、萌
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原子力戦争 Lost Love(1978年製作の映画)

3.5

1978年の山口小夜子といえば資生堂シリーズで最も有名なポスターとなった頃。ということは最も「山口小夜子らしい」スタイルを確立した頃。寺山修司『上海異人娼館 チャイナ・ドール』ならさもありなん、ATG>>続きを読む

砂塵(1939年製作の映画)

3.9

面白い!よくまとまってて愛すべき作品。最初から最後まで動的なエネルギーに溢れてる。
オープニングのスローモーション横移動、酒場の群衆、マレーネ・ディートリヒのキャットファイト(往年の妖艶さもかなぐり捨
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ソニはご機嫌ななめ(2013年製作の映画)

4.0

またもや酒を飲みクダを巻く対面の男女を延々と眺め続ける愉しさ。
ふわふわと連れ立って歩きながら教授に抱きつくチョン・ユミにニヤリとしつつ、妙にリアルで涙が出た。チョン・ユミ超絶可愛い。キム・ミニという
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サリヴァンの旅(1941年製作の映画)

3.6

喜劇のもたらす効果についての実証的展開。では笑いとは何からもたらされるのか。階級や格差や年齢や人種を超え、ともに(誰も傷つかずに)笑えるものとは。

劇中企画倒れとなった "O Brother, Wh
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.4

「私だけが君を好きだ。私一人だけが」
非道い人間で、何の役にも立たず、すぐトラブルを起こし、それがPTSDか生来の気質かわからないけど、いずれにしても誰からも疎まれる、そんな君を好きなのは私だけだ。相
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

3.8

行く先々で言葉を授かり、奇妙な経験を積んでいき、結局煙に巻かれたように中空。「青い鳥」とかおとぎ噺のような。トマス・ピンチョンの原作が気になる。

ストーリーテラー役の人どっかで見たなぁとずっと思い出
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

3.4

『ヴェルクマイスター・ハーモニー』でタル・ベーラを知ってから十数年の念願というか満を持して、というつもりだったんだけど、SNSでどんどん情報が上がってきてあっという間にすり切れてしまった感。
はぁ〜な
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

3.6

満席で一番前の右端しかなく仰角で視覚認知もままならなかったのを思い出す。
「ああ今世界が終わろうとしている」という瞬間はこんな景色なのだろうかと、まざまざと見せつけられる。

2018.3.17 シネ
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あの夏(2017年製作の映画)

3.5

Gucchi's Free School × 肌蹴る光線 『グレイ・ガーデンズ』関連三作品配信上映にて
"That Summer“ という切なさを湛えたタイトル、2016年まで人目に触れることのなかっ
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グレイ・ガーデンズ ふたりのイディ(2006年製作の映画)

3.8

Gucchi's Free School × 肌蹴る光線 『グレイ・ガーデンズ』関連三作品配信上映にて
リトル・イディとビッグ・イディは勝手気侭に振る舞っているようで、常にメイズルス兄弟とカメラを意識
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グレイ・ガーデンズ(1975年製作の映画)

3.5

Gucchi's Free School × 肌蹴る光線 『グレイ・ガーデンズ』関連三作品配信上映にて
相対的貧困問題や8050問題として近年日本でもしばしばニュースなどで見かけるゴミ屋敷および共依存
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トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

3.7

偏狭な役にジャン=ルイ・トランティニャンが合っているし暗く古い調度があふれる部屋でイレーヌ・ジャコブと語らうシーンは穏やかななかに不穏さと終末を匂わせる。ボレロ的な音楽がサスペンス感を増し、三部作すべ>>続きを読む

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