桜丘のユーロスペースで初公開時に観た。30年前ですってよ…本邦ではVHSでしか観られない本作、追悼上映もユーロスペースだった。80年代初頭くらいの映画だと思ってたら1991年だったのか。
実は本作を観>>続きを読む
これまで何度も、数年前の追悼上映でも観ているのだけど、すぐそこにある内戦の存在が今日はすごく印象に残った。やっぱりウクライナの影響はあるのだろう。
当時のタジキスタンでリアルタイムに起きている内戦のも>>続きを読む
玄関やバルコニー、車内などのウインドチャイムや、オールドファッションな広告レタリングが鏡面に施された大鏡があちこちで登場する。ウインドチャイムの音はツトム・ヤマシタによる尺八などを交えた不協和音の劇伴>>続きを読む
普通に生きられなかった女性がどんどん怪物化していく。普通の人づきあいができない者にとって、これほど痛いものがあるだろうか…ある意味涙なしには観られないよ。それがまた滅法出来のよい作品となっているのだか>>続きを読む
神奈川近代文学館で本日最終日の「小津安二郎展」を観てきた。
行ってよかった〜!大変充実した内容の展示で、気づいたら三時間以上居た。
フィルムが現存しない初期作品は、宣伝広告などでその様子を垣間見るこ>>続きを読む
無性に好い。ショットとつなぎ方が矢鱈かっこいい。編集もリチー本人。
シンプルなボーイミーツガールが何だか好い。60年代の温泉地 熱海。険のあるムスッとした縄文顔の女性とどことなくムワッとした淫靡さのあ>>続きを読む
ヘルムート・バーガーの訃報を受けて、十数年ぶりにDVDをひっぱり出してきた。
ヴィスコンティの作品では一番好きかもしれない。
ダーク・ボガードの本作での凡庸さや哀れさも『愛の嵐』の次に好きだし、イング>>続きを読む
前半の緊張感に対して告発で瓦解してからの描き方はちょっと短絡的というか典型的というか、そういう勿体無さはあるなと思った。これだけ長いのだから後半も変にエモーショナルな演技を入れないで、前半の名状しがた>>続きを読む
2023.5.14
久しぶりに観て圧倒されたので再掲。アルドリッチ監督の中でも群を抜いて容赦の無い作品だと思う。
手元にあるDVDのマスターフィルムはところどころ傷があり褪色気味なのだが、その赤みがか>>続きを読む
『ナポレオン』も『鉄路の白薔薇』『戦争と平和』も観ていないのだけどこれがあのアベル・ガンスの作品?と目を疑う。
しかし歪んだ鏡のトリック撮影のみに依拠して終わる出鱈目さ、極端さが後年の矢鱈と長い作品に>>続きを読む
『バルタザールどこへゆく』を元にしていること、そうした場合映されるのは必ず人間の愚行と虐げられるロバであることから出オチ感があるなと思ってはいた。
EOの主観視点、EOの主観ではないのだろうけど彼の>>続きを読む
十数年ぶりに観たニコラ・フィリベール作品。『すべての些細な事柄』も精神疾患のある人たちに取材したドキュメンタリー映画だった。本作ではセーヌ川岸に浮かぶ「アダマン号」という精神科デイケアセンターに通う人>>続きを読む
世論や弁護団の言い分が悉く反故にされて永年に渡って不当に拘束されたり人間扱いされない状況に陥るって、いまの日本でも起きてることじゃないのか。遠い国の過去の話として一蹴できない現実の恐ろしさ。
マスメデ>>続きを読む
原作の雰囲気を大事にした作画で好印象。安心して観られるし、原作しか知らない者からしたら上手く再現してくれて嬉しい。
小鉄とアントニオJr.の決闘シーンなども中割りがしっかりしてるのでスピード感あるアク>>続きを読む
ブレッソン『抵抗』と同じくらい面白かった!
脱獄シーンまでほぼ音楽なしで台詞も極端に少ない。クリント・イーストウッドの出自や収監理由も一切語られない。おそらく同じ場所での同じ構図も無い。商業映画の派手>>続きを読む
リー・マーヴィンとジョン・フォードが組んだ数少ない作品で、ジョン・ウェインとマーヴィンの派手な殴り合いがたくさん観られるということで期待したが、エンターテイメントとしては若干複雑な気持ちで観ることとな>>続きを読む
これが噂の…はぁ〜なんとも興味深い!
リリアン・ギッシュ演ずるレティという女性の役柄にあてられた曖昧な性質が色々あだとなっている。後述するが男性の誠実さや正当性を浮き上がらせるための、脆弱さや不安定さ>>続きを読む
見入ってしまった。
レマン湖畔の風景はどれも美しい。ことに雪が降り積もったところ。それらのショットにベートーヴェンの弦楽四重奏などが重ねられ、これまた無条件に感動してしまう。Blu-rayの画質もとて>>続きを読む
布団の中で配信で観た。絶対途中寝るだろうと思ったら意外にも大丈夫だった。
アテレコなのか、誰がどの台詞を喋っているのかわからなくなる。ものすごく近くに聴こえたりもする。ジェラール・ドパルデュー演ずる>>続きを読む
真珠湾攻撃直後の志願兵をこんなにも軽いスラップスティックに仕立ててしまう、そういうバリエーションは戦中の日本映画では絶対に許されなかっただろうけどこの『ウィリーが凱旋するとき』も戦後の映画だからな。戦>>続きを読む
濃い陰影がことのほか美しい。船中は勿論のこと下船してからのしとどに濡れる石畳を行ったり来たりする陰影もまた素晴らしかった。全体に暗い色調なのでスクリーンで観られてよかった。殴り合いも相変わらず笑っちゃ>>続きを読む
素晴らしかった…今更ながら。アクションのキレと素早さを断絶させないショットが尋常でない。と同時にカタルシスよりもそこはかとない悲しさを残し、何度でも観たくなる作品だと思った。そしてジョン・ウェイン、ジ>>続きを読む
二十年以上前に桜丘のユーロスペースで観て以来だと思う。これが初めて観たゴダールだったかもしれない。記憶してたよりも横移動シーンの回数が多かった。ジャン=ピエール・レオ出てるのも忘れてた。
当時も面白い>>続きを読む
桜丘にあったユーロスペースで初公開時に観た。『少年、機関車に乗る』も勿論好きだけどこちらは特に好きだった。
2015年、フドイナザーロフ監督の訃報を聞いた。その名を聞くのも久しぶりで、そういえばタジ>>続きを読む
撮影がすごすぎる。さすがのヤヌス・カミンスキー。映画全体がロマン主義絵画のようなやや人工的に深い色味で、これはフィルム上映で観たかった。
騎兵隊シーンの馬の美しさ!このシーンの馬と騎兵隊の剣の連なりと>>続きを読む
泣いた。母としての愛情の物語というより、ひとりの人間の問い直し・再生の物語としてみる。
原題Pilgrimage(巡礼の旅)は、我が息子の戦没慰霊ツアーという画一的なパトリオティズム裡に押し込められた>>続きを読む
誰が誰やら判然としないが何組かのカップルを中心に、その蠢きが追われる。扉が開いて閉まる。閉まる動作に重きがおかれる。途中眠くなったけど、なんとなく最後までただただ眺めていられた。台詞がほとんどなく足音>>続きを読む
80年代の只中にありながら軽薄な80年代を懐かしむよう。あくまで馬鹿馬鹿しくからっぽなまま突き進むのかと思ったら意外にも皮相かつ示唆に富んだ全肯定のラストで、一周回って面白かった。ずーっと地下ショッピ>>続きを読む
この映画を観つづけてよかった。この映画のある世界に生きててよかった。清順監督ありがとうございます。
私にとって無駄なショットはひとつもない。『悲愁物語』を反復するような「鱈も干鱈も鱈」と裸に荒縄の原田>>続きを読む
昨年東京国立近代美術館での「ゲルハルト・リヒター展」でかかっていた本作は、正直リヒターの作品そのものを観るよりも興味深かった。それからずっと忘れていたが、仕事の参考資料としてDVDを購入。
随分と前>>続きを読む
『百年後の或る日』の荻野茂ニによる記録映画。寒天の天草を採集し寒天棒にするまでの製造工程は白黒。「寒天の用途」から突然カラーになる。
海女さんが錘をつけて深く潜る、煮た天草が詰まった樽を肩に載せて運>>続きを読む
プレコード時代の公開を経て70分強から59分に再編集されて1935年に再公開されたらしい。そして出演しているPeg Entwistleという役者はこの作品の公開直前に自死しており本作が唯一の映画出演と>>続きを読む
2もやってるし以前から気にはなってたので。主人公2人のキャラクター造形とビジュアルが好いなと思った。スタントプレイヤーでもある伊澤彩織の設定が口をほとんど開けない何言ってるかわからないコミュ障な喋り方>>続きを読む
ドーミエ、ミレー、マネ、コロー、ピサロ、ドガ、ロダン、ルノワール、セザンヌの作品をカメラがサッシャ・ギトリらの語りとともにゆっくり回遊しながら映してゆく。それらは1871年の作品だという。
続いてユト>>続きを読む
すごい!面白い!
数本観たギトリ作品は1930年代で、この1950年代の作品はかなり熟れてきているというか、構成といい脚本といい痛烈な巧みさを感じる。またミシェル・シモンの当て書きかというくらい彼の魅>>続きを読む
大事なオルゴール付き宝石箱を開け、またそっと閉じるような慈しみがある。
サッシャ・ギトリが綴るのは父リュシアン・ギトリについて、また父が身を捧げた演劇への敬意について、そして演劇に身を捧げた者の業(ご>>続きを読む