イーストウッド監督の実話ベース戦争映画って時点で外れがないのは当然として、それ以上に動揺を誘ってくる作品だった。アメリカ的であることを功罪含めてカメラに収めようとすることで、そこから弾き出されてしまう>>続きを読む
車と音楽と女の子!とテンション高めなモチーフを使いつつも、選曲は60sのソウルや90sのオルタナ系という絶妙のチョイス。冒頭からJSBXとか最高でしょう。劇中で一番好きなシーンは耳の不自由な育ての親、>>続きを読む
パターソン州パターソンさんの平日は朝は目覚ましに時計に頼らず起きて、仕事が始まる前に詩を書いて、バスを利用する人々の他愛ない会話に耳をよせ、妻の写真入りの弁当箱からサンドイッチを食べ、帰宅してからはご>>続きを読む
その存在が決して眼から引き離せなくなる、観てはいけないものを観てしまった感じ。1990年ウクライナ生まれの天才ダンサーのこれまでを追い掛けたドキュメンタリーは、家族全てが身を投げ打った先にある成功と、>>続きを読む
これまでのマイナスポイントをブルドーザーできっちり更地化しつつも突っ込み所は更に尖らせ、アクションと登場人物をデカ盛りサイズで詰め込んだ正統続編。皆がハイロ―に期待しているものに制作側がしっかりと応え>>続きを読む
ゲキ×シネ極上爆音で鑑賞。演出:いのうえひでのりが偏愛するメタル要素は今回いつになく控えめだったけど、モンテ・クリスト伯をベースにした復讐劇としての物語が天井知らずに面白く、グレンラガンのオマージュも>>続きを読む
ジブリにしては妙に百合度数高いと思ったら出てきた男性が皆去勢されてるか亡くなっているかの2択ということに気が付いた。主人公杏奈の思春期前に達する年齢、日本人にも西洋人にも読み取れる名前、中性的な容姿、>>続きを読む
ヨンドゥー!OPのミニっこサイズでノリノリに踊るグルートは本当に最高なんだけど、本作の主人公はこの歯並びの悪いモヒカンオヤジだった。前作でチート的強さを見せたこの親父が持つ弱さと裏切りの理由が明らかに>>続きを読む
ラストが唐突に終わった感じがあって少々びっくりしたんだけど、友人から「これは百合映画」という感想を聞いて妙に腑に落ちてしまった。語られない言葉の影すらも明らかにしてしまう月光の注ぐビーチは全てを包み込>>続きを読む
脱力ヒーローものとしての魅力はまあまあ、既視感溢れるSF世界は正直それほど。だけどMARVEL的アライさんなロケットの狂暴さと哀愁を併せ持つ造形についてはもうはなまるで、スタッフロール直前のラスト2曲>>続きを読む
オープニングでAC/DCのBack in Blackが鳴り響いた瞬間が盛り上がりのピークポイント。ナイーヴで中二病であろうとも金を持ってDIYで兵器も作れちゃうマッチョなオタクが最強だということを証明>>続きを読む
前作も本作も走っているところから物語は始まるのは同様なのに、その違いは20年という年月がいかに世の中を変えてしまったかを雄弁に物語っている。イリーガルでジャンキーなドラッグのための逃走から、合法で健康>>続きを読む
学生の時以来の再鑑賞。ストーリー全然覚えてないなーと思ったら実際あってないようなヤク中映画。ドラッグにひたすらのめり込む前半からレイトン心機一転、社会復帰しようとするタイミングで時計の針がぐっと現在に>>続きを読む
人間の尊厳って何だろう。見終えた後、そんな思いがいっぱいになった。心臓の病気のために働くことができないのに、手当のためには就職活動をしなければならないという矛盾。賽の河原での石積みがなぜ苦行なのかを残>>続きを読む
人生ベスト級の映画体験。60年代に台湾で実際に起きた少年殺人を基に作られたこの映画は観ることで自分の中にひとつの人生が、とある家族の苦悩が、時代の不確かさの痛みが注ぎ込まれていく。人生において大切なこ>>続きを読む
人生ベストオブ暴力映画更新しちゃったかもこれ。元刑事で現デリヘル業の主人公、ノミやトンカチといった痛そうな道具で犯すシリアルキラー、無能で愚鈍な警官といったクズ共の中で被害を喰らわされる女子供という大>>続きを読む
なんだこの映画。コメディ?サスペンス?ホラー?それとも國村隼というジャンル?前半の客席からも笑いが漏れる掛け合いやリアクション芸もあって主人公と警官同僚がダチョウ倶楽部に見えて仕方なかったのに、終盤で>>続きを読む
へ、へんたいさんだー!笑っちゃうくらいの倒錯ぶりなのに見終えた印象はスッキリしているのはどうしてなんだぜ。詐欺師の使いとして和洋折衷というより和洋まぐわいな怪しすぎる屋敷での奉公ものな一部はともかく、>>続きを読む
シルエットはスタイリッシュながら、ユロ伯父さんは1作目からしてユロ伯父さんだった。避暑地にて集まった一同の中でもとびきりに空気が読めなくてずれているのに、ツッコミ不在で次から次へとドタバタが繰り広げら>>続きを読む
傑作とは思わないが「セッション」の時の不快感はないというか、非常に微妙。とりあえず冒頭から夜の公園まではまあ良いんだけど、そこから先は何だったっけ…といった感じ。
全般的に夢を追いかける云々といった>>続きを読む
退屈。ラスト20分のミュージカルが凄い、と言うけど要はそこだけ見ればいいんじゃないのという必然性の無さと妄想が妄想として完結している最後のカタルシス不足。魅せるための映画とはいえ、ストーリーは理由もな>>続きを読む
ジーン・ケリーとドナルド・オコナーが揃って踊るシーンがとにかく最高で、冒頭10分のあまりにも反語的な「威厳を、常に威厳を」という言葉と映像の化学反応だけで至福感を味わえる。ここにあるのは卓越したスキル>>続きを読む
冒頭とEDでやたらとアピールしているスコセッシ監督、いちファンの視点とあまり変わらなくて楽しい。ライブにインタビューを挟んだドキュメンタリー風なんだけど、とにかくキースのコメントが冴えまくってる。「ギ>>続きを読む
これは語るべきことを語りそこねた、不在の家族の物語。あらすじには書いてあるものの、そもそもとして主人公が余命僅かであることすら物語内で語り損ねている。家族が引越した理由も語られないし、粗野な兄と繊細な>>続きを読む
大コケした映画製作と離婚調停にかかりきりだったディランの風貌が浮浪者じみてて笑う。ザ・バンドのラスト・ライブをスコセッシによってドキュメンタリー化した本作は時代を切り取ったライブとして名高く演奏も素晴>>続きを読む
面白かった!リメイク元である荒野の7人は見てないけど、現代にスカッとした西部劇を作るとしたらこうなるんだなーという感じでエンタメとしてストレスなく楽しむことができた。
勘兵衛ポジションが黒人で、他もア>>続きを読む
ボブ・ディランの経歴について知ってから見るとすっごい面白い。だけどI'm Not There、本作にディランはいない彼の人生期でもない。これはディランという人間の精神から光沢と汚濁を混ぜ合わせたプリコ>>続きを読む
マーティン・スコセッシ監督は遠藤周作の原作に丁寧に寄り添いながら、僅かな差異によって本作を違った表情の作品へと作り上げた。雲仙から湧き出る湯気、海一面に立ち込める霧、海岸を濡らす荒波といった白を基調と>>続きを読む
いまいち。「独身者は捕らえられ、45日以内にパートナーを見つけなければ自分が選択した動物に変身させられてしまう」という設定に興味を惹かれて手に取ったもののその背景や理由について語られることなく後半はレ>>続きを読む
ぼ、暴力だー!メキシコとの国境地帯で麻薬カルテルの操作に携わる主人公が、最初はFBI捜査官のエリートとして(`・ω・´)と意識高く行動するものの、現世における最地獄地帯・メキシコの麻薬カルテルマフィア>>続きを読む
EP4のリブートを見ている感すごい。物語の中のフォースではなくフォースの為の物語というか、SWの新作に求められていることをきっちり消化していくというのは続編として正しいのだろうけど、やはりファン向けの>>続きを読む
むっちゃくちゃ時間を贅沢に使った約160分。なんだけど、エンリコ・モリコーネの音楽が最高で最初の展開が遅くてもその世界観だけで酔い痴れてしまいそう。友人も言ってるけど確かに雰囲気がジョジョっぽい。原題>>続きを読む
ローグ=ごろつき、一匹狼的な意味。シリーズにおけるエピソード正史がフォースに選ばれた者の英雄/悲劇譚ならこのスピンオフはフォースに選ばれなかった者の奮闘劇だ。
英雄でもない、ダークヒーローでもない、名>>続きを読む
思索と映像が濃密に絡み合う傑作。プラトンの洞窟の比喩について語り合う主人公と教授のシーンにおける、議論と重なり合う光と影の表現の巧みさには舌を巻く。それ以外も全編通して色彩表現がそれ単体でひとつの主題>>続きを読む
最後の台詞で鳥肌立った。映画女優の生き様と経歴を重ね合わせながら、その境界線を曖昧にすることで魔法がかった世界を創り出す。日本映画を舞台としているはずなのに、平沢師匠の音楽による異界効果がとんでもなく>>続きを読む
ラスト30分まではちょこちょこ笑えつつも微妙かな?と思ったけど、最後でグッと落として一気に上げてきた。描いていることは倫理や友情は資本主義的論理に勝るというプロテスタント的博愛精神なんだけど、所謂「古>>続きを読む