saihaさんの映画レビュー・感想・評価

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蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

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同じ監督が同じ人物を主人公に描いたとは思えないくらい前作とテイストが異なる。何も残らない空虚さはこの先もずっと続くだろうと予感させ、暗澹とする余白も残さない

蛇の道(1998年製作の映画)

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作品全体を覆う不穏・不快な雰囲気が最後の最後で決定的な嫌悪感に変わるのが鮮やかで、本当に厭さの構築が完璧な映画だと思った

讃歌(1972年製作の映画)

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不健康な恋愛の成就、箱庭の成功例として本当に幸福な映画だった。耽美の谷を度々踏み越える昏さ・キモさは谷崎原作を踏襲しており楽しいが、それを俯瞰して語る第三者の視点を複層隔てて観客に届く構造の映画となっ>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

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演出の交通整理がきちんと為されていて見やすい、有り難いという感想が何よりも先に来てしまう。偏愛はしないがキュートで面白かった

修羅(1971年製作の映画)

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酷いよ……/度々挟み込まれるルート分岐的な演出に主人公の根本の性格が描写されているような気がして、よりやり切れなくなってしまう

眠る男(1996年製作の映画)

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転落事故で昏睡した人間を中心に置いた山間の群像劇。人口200万人突破記念でこの映画を制作した群馬県、格好よすぎる

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

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郷愁とホラーのバランス変すぎてむしろ愛着湧いてしまう。若く美しい両親の優しさと悲しさにはドボドボと主人公に感情移入してしまうのに、若く美しい女性の恋人とのパートが全く魅力的に見えず観ているこちら側に魔>>続きを読む

蒲田行進曲(1982年製作の映画)

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力関係の不均衡な恋愛映画としても創作にまつわる映画としても再上級に好きだ

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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ゴジラの雄大な美しさと絶望的な恐ろしさを舐めるように堪能することができた。ゴジラが出現する度にウキウキと怖がりながら前のめりの姿勢になって鑑賞した。人間たちがもっと可愛く魅力的に映っていたらもっと楽し>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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あくまでひとりの人間の内面に寄り添った映画なので、被爆地としての広島・長崎は情報としてしか出てこない。どちらかというとオッペンハイマーにとっての小さな国であったロスアラモスの物語だと感じた。ノーランの>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

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暴力被害の気配と虚言の匂いが場面により濃淡描き分けられる。幕引きには若干の情けなさと頼もしい孤独が双方浮かび上がっており、ホン・サンスってやっぱすげ〜

ニューオーダー(2020年製作の映画)

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鑑賞していて、途中から恐怖を諦念が追い越してしまう瞬間があったのが何より怖かった どうすれば“こう”ならない社会を作れるのか分からない

TAR/ター(2022年製作の映画)

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面白かった ともすれば全体の尺の長さや音楽業界への自分の無知さに引っ張られて集中が切れてしまいそうだったけど、それらを全て繋げて惹き付けられるケイト・ブランシェットの演技の魅力がある

ヴィタール(2004年製作の映画)

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執着を向けるという行為は生きている人間にしかできないよなと思う その一方通行の悲しさを飲んで乗り越えるしかない

少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(1999年製作の映画)

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親切設計の映画では絶対にないが、圧倒的な情熱と美意識と打開のパワーで突き抜けられる 物語の力ってこうなんだ

アナザヘヴン(2000年製作の映画)

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世紀末の空気感を投影したフェティッシュな描写の魅力と展開の野暮さに乗れないところの板挟み

らせん(1998年製作の映画)

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女性登場人物(怪異含む)の描き方に時代相応の蔑視を感じて嫌だな〜と思うが、その好ましくなさこそがフックとなって強く印象付くような作品だった。終盤主人公の脳内に写される番いの幽霊のイメージが美しい。

HAZE ヘイズ(2005年製作の映画)

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苦痛疑似体験娯楽映画だ〜♡とはしゃいで観ているとどんどん絵面の地獄度が非現実的な角度に上昇していき、フッ……とごく小さく儚い愛の話に収束する。何だったんだよと思うが、この小規模で何の役にも立たない優し>>続きを読む

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

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昏く湿度の高い静かな恐怖表現を最大限ゴージャスに演出していてかつ無駄がない。直接的な救いや因果応報が描かれない展開も渋くて上品だ

吸血鬼ゴケミドロ(1968年製作の映画)

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おぞましく楽しいものが観たい!という欲に寄り添い叶えてくれる映画だ

口裂け女2(2008年製作の映画)

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周囲の‪‪噂話と己の中に起こり染み付いた恐れの両輪が人を狂わせていく構造、抑制の利いた演出と併せて素晴らしかった。直接的に主人公を追い詰めるのが近しい人間の凡庸な悪性であるところも悲惨さと恐ろしさを際>>続きを読む

口裂け女(2006年製作の映画)

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作中暴力が掘り下げも解決もせず、ゴロッと置き去りにされたような居心地の悪さで終わる。何かもっと楽しく観る余地はありそうな気がするけど二度は観たくない。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

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優れて皮肉なユーモアを折々交えて描かれているが、徹底して静かに怒り続けている作品だった。そこがかなり好き。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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フィクションの飛躍を求めてへらへら鑑賞に臨んだ結果、普遍的な母子の地獄を三時間も浴びて体の具合がおかしくなってしまった

落下の解剖学(2023年製作の映画)

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「絶対にセンセーショナルな演出をしない、煽らない」という固い意思が見える。その誠実さが渋さにも若干の怠さにも繋がってる気がする。実際の裁判において子供ってこんな精神的負担を負うものなのか?

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

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正しさへと向かう意思の物語に強く惹かれた。真摯さとユーモアと苦さのバランスが凄い

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル(2000年製作の映画)

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こんな面白プロレス映画だったんだ 格闘シーンが泥臭くてゴージャスでサイコ〜

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

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和山やまの天才的な物語を生身の人間が演じるにあたっての翻案が丁寧に為されていたと思う。主人公が子供であること、登場人物がどういう経緯で好意を抱きあう関係に至るかということがかなり親切に描かれる。中学生>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

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マッチョなヒーロー映画には隣で仲良く喧嘩してくれる正反対な気質の弟がいなくちゃね

(2023年製作の映画)

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めっっっちゃくちゃ面白い部分とちょっとタルくてつまらんと思う部分が混在しており、その冗長さをあれだけ余韻もへったくれもなくプツンと切られるとぐうの音も出ない 最高

肉体の門(1964年製作の映画)

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狭い廃墟ビルの箱庭空間で街娼グループの姫と化していく宍戸錠がブリンブリンで生気に満ち過ぎていた

ロボコップ(1987年製作の映画)

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嫌すぎる死に方が多種多様に描写される 血なまぐさくて悲愴な話なのに後味がやたらドライで爽やかだった

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