伊達巻

FAIRY TAIL 第2期の伊達巻のレビュー・感想・評価

FAIRY TAIL 第2期(2014年製作のアニメ)
5.0
「仲間を守るためなら如何なることもやる。そして、その状況を少しだけ楽しんでしまっている」

確かシーズン1の最後か今シーズンの最初あたりでメイビスがこんなことを言うのだが、この目線を持った作品って他にあるんだろか…すごい

これからの時代を駆け抜けていく若者たちと、これまでの時代を経験してきた老年の大人たち、なんて素晴らしき魂の独白か…今シーズンは初代マスターメイビスのシーズンと言っても過言ではないだろう、「進め若者よ夜風の如く、あなた方の燃えるような血と汗と涙は日傘のように美しい。怖るるなかれ若者よ、進めばそこが道となる」…泣く😭 一応は少年向けアニメだと思うんだけどまだ若者の自覚がある時期に観れてほんとに良かったと思う、何より「居場所」の物語であり、フェアリーテイルとはまさに、知らずのうちに心の底に孤独を抱えるすべての少年たちの魂のギルドであるのだ、それこそ自分が中学生の時にリアタイでちょっとずつ観てたが、もっと真剣に観てたら何か変わってたかもしれないな、と後出しながら思う。しかし同時にこれは、それ以上に大人たちに向けられた作品でもあり、何かと絶望する気配におかされた現代を生きる上で子どもたちに希望を失わせないために何ができるのか、どのように若者たちを見つめるべきなのか、人生の無意味が説かれる時代にこそ「人には生きる意味がある」となんの恥じらいもなく伝えてくれるこの作品の無類の正直さに、大人になった私たちもまた改めて正直になる必要があるだろうと思わされる。この社会で生きることの難しさをそれとなく度々とりあげながら、取り返しのつかない諦めを経験し、そして論理さえ突破して明確なアンサーを叩きつけるという、本当に貴重なことを美しくやってのけている。

ーなんのために生まれてきたんだろう
分からないことだらけのここで
僕の背をなでるあたたかな手と
僕を見つめるやさしげな目で
なにもわからなくてもいいやって
そう思ったんだ
伊達巻

伊達巻