Train

あまんちゅ!のTrainのレビュー・感想・評価

あまんちゅ!(2016年製作のアニメ)
4.0
【まだ知らなかった自分のコト】
伊豆を舞台にダイビングで繋がる少年少女の青春物語。原作者がオールタイムベストアニメに君臨してる『ARIA』の天野こずえ先生ということで鑑賞。

高校進学を機に引越すことになった大木二葉、通称"てこ"は引っ込み思案な性格と新しいクラスメートへの不安から学校に上手く馴染めずにいた。そんな彼女の前に底抜けに明るく活発的な女の子 小日向光、通称"ぴかり"が現れ、ダイビング部の仮入部体験にてこを誘う。この奇跡的な出会いによって てこの知らなかった世界が少しずつ輝き始めていく。

『ARIA』と違ってテーマや世界観が現実寄り且つ使い古されたものであるため数ある青春モノの一つになっていることは正直否めないが、天野先生が描く"優しさ"は確かにそこに存在していて、やはり回を重ねる度気付きと希望を与えてくれる。

今期で一番心に残ったのは9話目の てこの写真のメモリーカードの容量が無くなる回。てこにとってメモリーカードというのは彼女の心の容量であり、単に風景を切り取って溜めておくものではない。その時感じ取ったものを何時でも思い出せるようにする為のツールだ。匂いや時間等それら全て引っくるめて思い出となる。単にカードを交換すればまた写真を撮ることができるが彼女にはそれができない。何時でも目にすることができなければその思い出は壊れてしまうことを知っているからである。その彼女の状態を察知した ぴかりがとある言葉送るわけなのだが、ぴかりの心のピュアさにひたすら心打たれてしまう。このアニメ、所謂バディものに入ると思うが(ダイビングだし)、この二人の尊き関係に匹敵するバディはこの世に一体いくつあるのだろう。(結構ある)取り敢えずお二人共早く結婚してくだせえ。

キャラのデフォルメ顔の多さが気になるが原作もそんな感じなんだろうか。

美術的面から多分原作の方が自分は好きそう。原作も勿論読むつもりである。

『ARIA』ファンは絶対に見ましょう。OVAである13話も忘れずに。見れば何が言いたいか分かるはず。
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