そもそもが「ただのかけっこじゃん」という絵的な弱さをあの手この手で誤魔化し、笑わせ、しかし気づけば熱くなっているという、決して高級料理にはなれないジャンクさが面白いウマ娘。
過去２シリーズ、特に２期はそれがうまくいっていたと思うけれど、３期は作り手がその方程式を自明のものとしたために、カタルシスのピークを短いスパンで持ってきていて、器用になり過ぎているような印象。
それでも終盤の「自分のピークが過ぎたことを知る」物語は、美少女コンテンツ疑似スポコンものが大同小異なお題目に終始する中、ちゃんと新しかった。
すっとぼけたボケを入れ込むやり口、他のアニメだとイラつくだろうけど、ウマ娘という企画を成立させるにあたってその「気取らなさ」は好ましく感じる。
