改名した三島こねこ

ウマ娘 プリティーダービーの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

ウマ娘 プリティーダービー(2018年製作のアニメ)
3.8
■ 概説

実在の競走馬を基に紡がれるIFの物語。
"日本総大将"スペシャルウィークと"異次元の逃亡者"サイレンススズカを主軸として、最強世代とも称される98年世代馬が競技場を駆け抜ける。日本各所で往年の競馬ファンの沈黙を破ることとなった感動のストーリー。

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最初に口が悪いことを言っておきますと

・そもそも競馬に関心がなかった
・友人がやたら勧めるので義理で視聴
・「ギャンブルに狂乱する意味がわからん」
・正直一期初回視聴時はしらけ顔だった

当初の自分はこの採点に確実に白目を剥くでしょう。

友人のひとりは「ウマ娘はSeason.2から見たほうがいいよ」なんて言っていましたがまさにその通り。万人ウケがいいのは間違いなくあちら。

ただ気がつけば再視聴も六度目。

実在馬の知識もちょこちょこ付けてみると、そもそもウマ娘はこんなバカウケさせるつもりはなかったんじゃあないかと思わなかったりいまそかり。

上記の私のような非競馬ファンからすると"沈黙の日曜日"なんて知りゃあしません。リアルタイム視聴していれば「実在の馬の元ネタは?」なんて調べるかもしれませんが、一気視聴すると軽く正直流します。

「はいはいベタベタな感動モノ」

これが素直な競馬知らずの感想。

実際には95年宝塚記念や97年ドバイWCの悲劇に代表されるように、サラブレッドに故障はつきものなんて言われているのですから、これはむしろ当然の展開なのに──なんとにわか知識の傲慢なことか。反省しても反省したりない。

そしてそこを弁えたうえで視聴してみると

あのとっとっと武豊氏を安全圏に運んで倒れこんだ名馬の姿が幻視されて泣けてきます。これはあくまでも元来の競馬ファンへ向けた鎮魂歌のような作品なのでしょう。

せめてこれが競馬場を踏み荒らすだけの不躾なコンテンツにならず、次世代で歓声を響かせる競馬ファンを増やすものとなりますように。