春イコ

ラブライブ!サンシャイン!! 第2期の春イコのレビュー・感想・評価

5.0
2期も素晴らしかったです。
大好きです。
全体を通して印象に残ったのは、世界は簡単には変えられないが自分の考え方次第で世界は変えられるということ。そして諦めないことです。

5話が特に大好きで面白い回だったと思います。
犬が苦手な梨子ちゃんが善子との関わりをきっかけに犬を克服して接するようになる話です。ここでは津島善子(ヨハネ)がなぜ厨二病キャラとして振る舞うようになったかという理由が伺える場面があります。善子はやることなすこと、ずっと不運に見舞われてきました。自分に降りかかる不運を肯定あるいは前向きに捉えるために堕天使という設定を自分の鎧のように纏い、現実を乗り切ってきたのです。
つまり、世界は変えられないけれど、自分の考え方次第で世界の見方は変えられるということです。これがサンシャイン全体に息づいている物語であり、Aqoursが廃校を阻止することができず奇跡を起こせず終わる現実に対して胸に残る思い出と呼べる1を慈しむ認識に繋がっています。
そしてアニメの中で描かれる自然現象は映画などでもキャラの心理描写として効果的に使われるようにラブライブでも同様ですが、雨や虹というのはただの出来事であり、現象です。そこにどんな意味を込めるのかは人間だからできる解釈です。「虹がかかったもん!」とジャンプする千歌ちゃんも、雨の中で笑いながら流れ星を探すAqoursの姿も、この認識の変化で絶対的な悲しさなどはなく、自分の認識によって世界を変えてきた場面だと思います。
なので私はこの思想を当初から体現してきた津島善子(ヨハネ)というキャラのことが大好きですね……。
また、これら含めて象徴的な2話で、花丸ちゃんが「無と有」の関わりについて明示してきた時は驚きました(ちょっとあからさまだったとは思いますが)。

彼女たちがまさに終わりを迎える出来事、閉校祭でキャンプファイヤーの火が消える中で紡がれる言葉と「勇気はどこに?君の胸に!」を合唱するedには涙が止まりません。

最終話。Aqoursの彼女たちはラブライブに優勝はしましたが、廃校を免れることはできませんでした。しかし、彼女たちが0から1へ、1から100へ広げようとした努力の過程。その姿こそ諦めずに挑み続け0から何度でも始められるという象徴ですし、たとえ0になっても胸に残るものを終わりを前に許容し肯定できた彼女たちの姿があったことがとても胸を熱くさせます。
私はこの再起と不屈の物語が大好きです。

そして何度も登場する紙飛行機は次の劇場版までその意味を引き継いでいきます。
春イコ

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