スカポンタンバイク

アイドルマスター SideMのスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

アイドルマスター SideM(2017年製作のアニメ)
5.0
これは傑作でしたね。
私はデレマスしかほとんど触れてないのですが、アイマスのアニメ作品としてはエムマスが一番良かったというか、人に勧めたい作品だと思いました。
エムマスには全く触れた事がなくて、YouTubeのアイドルマスターチャンネルにあがるサイスタMVを偶々観た事があるくらい。初めて観たのはCafé Paradeの「Pavé Étoiles」で、これにはビックリした。直近だとうたプリのライブ映画を観て「あ、遂にこれができる時代になったのか」と感動してたのもあって、「お、アイマスも遂にこれができるのか!」と心底感動した。(と思ったら、U149では手書き中心のダンスシーンをグリグリ動かしていたので、逆にビックリしたわけですが。)正直、技術的にもコンテンツとしてもエムマスは魅力的だと思ってはいたので、サイスタのサ終はプレイしていない立場でしたが納得が未だにいってないですね。

さて、脱線し過ぎなので話を戻します。
今作の何が突出して良かったかといえば、「アイドルアニメ」だったという所です。「何を当たり前の事を言っているんだ?」と言われるかもしれませんが、冷静に振り返っていくと、アイマス無印はプロデューサー含めた765プロの疑似家族的な話で、デレマスは346プロのプロデューサーとアイドルたちを擬似親子関係とした親離れ子離れの話だった。エムマスより後の作品にはなるが、U149は第3芸能課を中心とした子供と大人の違いは何か?夢を見る事と叶える事についての話だった。そこと比べた時に、エムマスがどう「アイドルアニメ」なのかというと、アイドルとプロデューサーの箱庭の関係性に加えて、ファンとの関係性を意識している所だ。特に前日譚のジュピターの話は正にファンとの関係性を物凄く意識したものだった。アイマス無印で黒井の下から去ったジュピターがインディペンデントに活動して成功している一方で、その限界を描いていた。アイドルは決してアイドルのみでは存在し得ないし、アイドルとプロデューサーだけでも存在し得ない。そこには必ず応援してくれるファンがいて、彼らをアイドルと呼んでくれる。今までアイマスシリーズがあまり描けていなかった「アイドルとファン」の関係性に凄くフィーチャーされているのが分かって、「あ、これが本当のアイドルアニメだ」と思った。ファンとの関係性というのは最近だと「アイドリッシュセブン」がその辺を取り入れていたなぁ(1期までの記憶)。
ただ、エムマスがまた良かったのが、桜庭くんの「金を儲ける為にトップアイドルになる」というアイドルとしての在り方を天道くんは否定しない所。天道くんが「金を儲けるためでも、ファンを笑顔にしたいって気持ちが一緒なら同じ事だ!」って言った時はもう、本当に涙が止まらなかった。アイマス作品、特に担当のデレマスは色んなアイドルがいて、中にはアイドルとしてもモチベーションがよく分からないキャラクターが何人もいるわけなんだけど、その在り方を周りがOKって言ってくれるのが本当にアイマスの大好きな所なんです。それはキャラクターがそれぞれに本気な事を知って、それを信じてるから。だから、この天道のセリフっていうのは、アイマス的に本当に大切なセリフで、しかもちゃんとファンの方を向いてるという凄いセリフなんです!もうね、ありがとう!(泣笑)
こんな話の後にあれですが、私の今作の推しについて。w
今回はかなり悩んだんですが、S.E.M.はヤバかった。もう彼らが頑張ってるだけで泣けてくるし、もし自分が高校生の時に実際に高校教師がアイドルになったら、相当応援すると思う。学校でのライブ回はもうね、本気の気持ちはちゃんと子供たちに伝わるんだっていう信頼に満ちた素晴らしい回で、もうジーンとしてしまった。
あ、そう!エムマスの「訳あってアイドル」ってのが、結構出オチのオマケじゃなくて、キャラクターと物語の深みになってるんですよね。そこも凄い良かった。

もう何だろ。褒めてばっかりだな。
でも、本当に良い所ばっかりな傑作だと思うので、めちゃくちゃオススメしちゃう。
次エムマスがゲーム出したら絶対やろう。