八咫烏

HERO MASK パート1の八咫烏のレビュー・感想・評価

HERO MASK パート1(2018年製作のアニメ)
3.5
謎のマスクをめぐるクライムサスペンス。物語の舞台もキャラデザも、まんま海外ドラマな世界観。
cvも吹き替え畑の声優を起用。キャラ設定も徹底している。
タイトルから連想されるような、ヒーローがマスクをつけて戦うアメコミ展開はなく、この作品のマスクは生物兵器の扱い。その存在を暴こうとした検事が殺され、内部告発しようとした研究者も狙われる。

評価は低いが、近頃のアニメ化に失敗してとっ散らかったなろう系と比べたら、数段良く出来ていると思う。アニメも海外ドラマも好きな自分としては全編通して漂う雰囲気が好きだったし、BGMやopも良かった。

とは言え敗因?はやっぱりアニメ好きと海外ドラマ好き、どちらにも刺さらなかった事だと思う。
実写に寄せすぎて、アニメにしか出来ないアクションやカメラワークは控えめ。
CG作品にも言える事だが、実写そっくりに作るだけなら実写を観ればいいのだし。
そして実写ドラマにとことん寄せるなら、シナリオが面白い物でないと観る甲斐がない。

主人公の元相棒が敵の組織(巨大軍事企業)で死神と呼ばれる凄腕になっていたり、マスクの実験台にされた囚人の切ない末路など、ストーリーのフックとなるような展開はあったと思う。
また吹き替えのcv効果だと思うがキャラクターに小物感が無いのも良い。
出てくるどのキャラもシブく描けている(反面主人公には深みが無くて、愛着が持ちにくいのだが)
この主人公については、いつも単独行動なのもどうか。バディは基本だと思うのだが。かと言って一匹狼的なアウトローキャラでもない。
ジェームス以外全員デスクワークなの?
まずあの部署の存在が1番謎な気がする。
「あと少しでそちらに着く」が全く安心できない笑

一方でアニメとして見るとじっくり進むサスペンスなおかげで、テンポが冗長に感じるかもしれない。
ただそれも11話以降は、緊張感のある展開もあって改善されていたと思う。
あと細かいけど設定。イヤホンは有線なのに、コンタクトレンズの性能だけが突出していて違和感があった。
もうちょっと近未来感の底上げがあっても良かったかもしれない。

シーズン2に向けての布石もありつつ、ひとまず畳んだ最終回。あーだこーだ言いつつも楽しめたし、自分的には及第点だった。
2では色んなキャラが蔑ろにされてるらしいので恐ろしいが笑、結末を見届けようとは思う。
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