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輪るピングドラムのno6clubのレビュー・感想・評価

輪るピングドラム(2011年製作のアニメ)
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大好きな映画「同級生」の制作陣営があまりにも豪華すぎて、調べてみたらほとんどのスタッフさんがアニメ「輪るピングドラム」で固められていると知り、見るしかないじゃん…見なきゃダメじゃん…となった。そうか、幾原監督だから…。「ノケモノと花嫁」での繋がりで、最初はアニメ化に前向きでなかった明日美子先生も、幾原監督から、すごくいいスタッフが揃っている、いいものになるよ、と後押しされたらしい。うおー業界のヨコの繋がり尊てえ。

これはまた難解でロジカルなのか感じとるべき作品なのか…。恥ずかしながら幾原監督といえばああセラムンね、まともに見たことないけど。くらいの知識しかなくこれが初めての幾原アニメだったわけですがもう恐ろしいぜ!!!これにつきる!なんかみんながドン引きするようなことを笑顔でしかもハイスペックでこなしてしまうようなマッドな匂いがプンプンしてた終始…鬼才だよ…。話の内容、わあ面白い!で見続けられたわけではなく、「なんだこれは…ピングドラムて結局なんなん!?こいつは何をしようとしてる?日記もピングドラムも分からんすぎる!早く次の話!」みたいに見ざるを得ない感覚だった。おうおういいのかそんなことして…と独り言が絶えなアニメだった。

すしおさんが数回いましたね…ここの動き可愛い好き!ってときにいた気がする。嬉しい。全話通してだけど、シャフトじゃなかったらなんなの?っていう演出がたくさんあって、武内さんが担当した回はまんま物語シリーズやまりほりを思い出しました。ああいう虚構世界的な演出は幾原監督が元祖らしいですね…巨匠じゃないですか…(何をいまさら)。そういう描写で電車を使うのはやっぱりエヴァだよなあと頷いてた。同級生でも佐条が倒れ夢を見たのは電車内だったし…。いいよね、なにかで見たけど映像的表現の1つの手法で電車やホームはものすごく使い勝手がいいって書いてあった。わかる。(わかる)

私、木村昴さんの大きな転機になったのってヒプノシスマイクだと思ってたんですけど、10年以上前からこのような怪作のメインキャラをやっていたなんて…一般認知はヒプマイだけれど声優としての転機はピンドラだったそうで…幾原監督との初対面での会話、記事で読んだんだけど、監督の口調がまんま渚カヲルでめちゃくちゃ笑った。ちょい毒のある?貞元カヲルみたいな。有名な話でやっぱ渚カヲルのモデルは幾原監督なんでしょうね…タブキ先生のセリフ(特に後半)が本当にカヲルくんだった。え、こんなこと喋ってたよね?と錯覚する。全体的にこのアニメがまとってる雰囲気やテーマが渚カヲルとめちゃくちゃ近しいんだよな…。愛とか運命じゃん…。でも当たり前だけど庵野監督作品と似てるわけでは決してなく不思議で難解な感じだ…。
ていうか私、映画「半分の月がのぼる空」を見終わったときによし、賢治の銀河鉄道の夜読もう~と思ってたのにすっかり忘れてたじゃない。これ引用されまくってるじゃないの馬鹿。読みます。
ああいう終わり方ものすごく切ないんだよなあ…絶対男子2人は生き返ったわけではないじゃない…「林檎そのものが宇宙」「死んだら終わりじゃない。そこからが始まりなんだ。賢治はそういうことを言いたかったんだよ。」フッ、おもしれーこと言うガキ…になっちゃったよ。いろいろな考察みるのが楽しみです。

中村千恵子さんの背景の鮮やかさ感動した…キッチンがあんなにカラフルなの初めてみた…「同級生」では色味が全体的に淡いからあっさりして見えるんだけど、よく見ると本当に細かいところまで丁寧で原作や原作者にまでリスペクトがある感じで、それがピンドラでも同じように感じました。高倉家本当に可愛い。好きです。

とあるビッグタイトルの映画の公開が延期になり、アニメーターさんたちに急に空き時間が出来てしまったので、「同級生」ではスタッフ同士の繋がりで錚々たる布陣になったという噂、確実にエヴァじゃん…好きな作品同士がこんなふうに繋がるなんて思ってもなかった…面白すぎる…それぞれのオタクが互いに 足向けて寝られないって言ってるの最高。オモロ。

「ノルニル」「少年よ我に帰れ」ってアニメの曲だったんですね…!小学生のときやくしまるえつこに出会ってそれから相対性理論知ったんだけどずっとずっと大好きだったのに逆になんで知らなかったんだろ…あの方たち、曲だけでもう世界観構築されているので当時はメンバーとかタイアップ?とか調べようとすらしなかったな…もったいねえ…「少年よ我に帰れ」、「残酷な天使のテーゼ」へのアンチテーゼという考察まであって知れば知るほど面白すぎる。庵野監督と幾原監督のエピソードもっと知りて~。
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