人間の存在意義に迫る内容で興味深いアニメだったが、凄まじくグロいので苦手な人は鑑賞を序盤で諦めてしまうかもしれない。
タイトルの「寄生獣」、名のとおりに寄生する生き物がテーマの物語である。
物語は人間と寄生生物の対立を描きながら展開していき、人間とは何なのかを考えさせられる。対比構図の中で主人公が葛藤する様が見所だ。
感想としては原作者が訴えているであろう意図を理解するが、悍ましい描写が多かったこともあり感情移入は出来なかった。だが作品としてはとても刺激的で興味深くて夢中に鑑賞した。
「寄生獣」は漫画が原作であり、1988年から1995年に書かれたことに驚いた。アニメの中でスマートフォンが使われたりなど現代に合わせて制作されているので昔の漫画が原作とは気づかなかった。原作の思想を受け継がれ忠実に描かれているのだろうか。それともオマージュなのだろうか。漫画を読んでアニメと比較したいという楽しみが出来た。
コロナを通して病原菌など得体知れないものに恐怖を感じる現代において、「寄生」もまた似たように恐怖を抱く。ネットフリックスで話題になっているドラマの「寄生獣-グレイ-」は原作漫画のオマージュであろう。
どのように解釈を得て作品に仕上がっているかドラマを観るのが楽しみだ。
