かなりコメディテイストが強く、よくある感じの異世界転生モノをちょっとしたメタ視点から攻略していくタイプの作品かと思っていたが、
意外にも驚きがある物語展開や、起承転結がしっかりあり、世界を救う所まで綺麗に描き切るので一本の作品として非常に満足度が高かった。
ダンジョン攻略やアイテム入手などの冒険パートは基本的にはぼほぼ無視して進行され、レベリングやスキル獲得はインチキじみた神の世界で行われる事もあり、幹部クラスの敵もチート級の火力でバッサバッサと薙ぎ倒していくので緊張感に欠けるように感じる所もあった。
しかし、後々に明かされる主人公がありえないくらい慎重である理由と共に「救済難易度」「ステータス」といった頻繁に出てくる設定も組み込まれたものとなっていた事も開示され、これらの行動にもちゃんと納得がいくようなギミックになっていたのが上手いなと唸らされた。
数多ある異世界転生モノとは一線画す高い完成度で文句無しに面白いと云える作品。
余談だが、主人公・梅原裕一郎の演技がとても良い。好き。
