しとさんん

未来少年コナンのしとさんんのレビュー・感想・評価

未来少年コナン(1978年製作のアニメ)
4.4
宮崎駿監督作品。とても良かった。

キャラたちが生き生きしていて、どのキャラも憎めない。
宮崎駿監督作品の土着的で人の温かみのある作品性が感じられた。これから後にナウシカやラピュタができていったのかと考えると感慨深い。

1番好きな話が19話のモンスリーの話数。モンスリーの内面が掘り下げられている点はもちろん、具体的にはモンスリーの「自分の信念に基づいて動いているはずなのに、敵対するコナンたちの方が正しい気がする」という自分の行動と自分の直感のギャップに葛藤する様がとてもよく描かれていた。だからこそ「負けた」というラストの言葉が戦争に負けたという表層的な事柄だけでなく、本人の内面の積み重ねが瓦解してしまったという言葉の意味だとも思う。
コナンとモンスリーの対決はある種モンスリーにとっては自分の直感と自分の中での大人な自分が生み出した指針に対する葛藤を意味していたのかなと思った。
なんにしても、この話数でモンスリーが好きになった。

ほかにも、津波が来る時の複線の積み重ねがとても丁寧で、じわじわと危機が迫っているという演出と音楽の使い方がよかった。

モンスリーの「バカね」で堅物なモンスリーの女の子らしく素の一面が見れて良かった。
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