八咫烏

波よ聞いてくれの八咫烏のレビュー・感想・評価

波よ聞いてくれ(2020年製作のアニメ)
3.6
登場人物が全員大人という、最近では珍しい設定。
ドタバタコメディであり、札幌を舞台にした群像劇であり、ヒロインであるミナレの自分探しでもある作品。
現代の話ではあるのだがラジオ創世記の苦労話のような展開もあり、他の方も仰られているが、「ラヂオの時間」みたいな懐かしい雰囲気がある。

ミナレはドラマでよく見かけるタイプのヒロイン(実際ドラマ化もしている)
しっかり者のデキる女に見えて隙だらけ。彼氏に貯金を持ち逃げされた25才。
酔っ払って愚痴ってたところ、立板に水のトーク力をラジオ局のディレクターに見出される。

ミナレのcv杉山里穂さんのセリフ量がエグい。このセリフ量とテンションでいい声過ぎると疲れる。
言い方は悪いが、声質で聴かせる声じゃない感じがハマっていたと思う。

脇を固めるキャラクター達がリアルなようで風変わり。そこそこクセが強いのが楽しい。
光雄のクズ男っぷりが良く出来ていて、笑ってしまった。
「テレビの視聴者はお客様、ラジオのリスナーは参加者」って上手い事言うな。

正直キービジュやあらすじを見る限りはそそられなかったのだが、原作者が「無限の住人」の沙村広明と聞いて視聴。
結果だいぶ毛色は違ったけど笑
終盤のラジオドラマ作りよりも、中盤までの人間ドラマの方が自分は好みだったが、期せずしてタイムリーなラストエピソードは締めとして良かったと思う。
ホント名曲よなぁ。。

どちらかと言うとこれは大人向きのストーリー。
社会人とか、比較的コアなラジオリスナーとか、はたまたヒロインのミナレを愛せる人は楽しめると思う。
八咫烏

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