あんへる

戦翼のシグルドリーヴァのあんへるのレビュー・感想・評価

戦翼のシグルドリーヴァ(2020年製作のアニメ)
1.8
【2020年秋アニメ作品{全12話}】

シリーズ構成・脚本に「リゼロ」の長月達平、キャラ原案に「なのはViVid」の藤真拓哉、世界観設定・設定考証に「ガルパン」の鈴木貴昭と、この界隈の著名なスタッフが手掛けたオリジナルアニメ。

割とプロモーション等にも気合いが入ってた印象があるし、放送前から結構話題にはなってた作品。
その点、個人的にも期待度はそこそこに高かった。

結果、こういうのが好きな人は多分に居るんだろうが、自分的には大ハズレだった。


何というか…申し訳無いけど、とっても浅薄な造りのアニメといった印象が強い。
やりたい事は分かるんだけど、要素同士が上手く噛み合ってない気がして、ミリタリーものとしては酷く中途半端で締まりのない作風に感じる。

物語序盤の掴みとしては良かった。
世界観の深みにワクワクする感覚は確かにあった。
美少女キャラのビジュアルと相反するシリアスな物語の雰囲気にも引き込まれるものがあった……

だが結果的に、今思えば第1話がピークだった。
あとはこの作品への興味が徐々に削がれていっただけ。

戦闘機を用いた空中戦の描写には拘りを感じたし、迫力があって良かったと思う。
ただ、背景にありきたりでチープなドラマしか描かれてないのでそれも見事に台無しになってるけど。

このタッチのキャラクターを用いてこの手の物語を描くのならば、まずは根本的に世界観に説得力を持たせた上で、キャラと物語相互間に生じた違和感を払拭できるだけの明確な理由付け、もしくはそれ相応のギミックを用意しなければならないと思う。
この作品はその辺りが全く練られていないどころか、蔑ろにしている風にも感じる。
そしてこの場合、キャラデザも含めてキャラに関する萌え・エロ・ギャグ要素等は、すべてがストーリー上邪魔なノイズと化している。

その上、戦闘中だろうと常に女子会ノリのお気楽トークですわ。
とてもじゃないが、生き死に賭けて戦争してる奴らとは思えねぇな。
こういうのってキチンとお膳立てした上で初めて落差(ギャップ)が生まれるもんなんじゃないの?
唐突に人が死ぬ様な展開入れた所で、まず世界観にも入り込めてないし、キャラに感情移入も出来てないんじゃ、それこそ正真正銘ただの無駄死にだろ。

ここで関係の無い他作品を引き合いに出すのは軽薄だが、「まどマギ」や「ゆゆゆ」、「がっこうぐらし!」(「スクイズ」…は少し違うか?)なんかを少しは見倣ってほしいもんだ。

もうこの感じじゃあ幾らシリアスに見せようにも今更手遅れ。説得力が皆無。
危機感も緊張感も全く感じられないってのは、この題材を扱う上で致命的な欠陥だと思う。

キャラを如何に立たせて、バトルを派手に見せるかって所に変に執着してる様にも感じるが、その前に演出的にドンズべってるから。


あとこれはただ単に自分のヤバい被害妄想として言うが、段々と観てて不快になってくるんだよね。
ナメられてる感覚になるっていうか。

「オラァ!!取り敢えず水着回とかアズズの下着カットとかサービスシーンちょいちょい挟んどけばオメェらアニ豚どもはブヒブヒ鳴いて喜ぶんだろ?んで満足してこんな薄っぺらい話でも馬鹿みたいに泣けんだろ??ww」

てきな。w

そんなメッセージ性勿論ある訳ないのはわかってるけど、そう考えると無駄に露出度の高いキャラが居たりするのもなんか腹立ってこない?

え?共感しない?
あぁ…そうですか……はい……。


しかし今期は「神様になった日」といい、しらんけど北欧神話モチーフって最近流行ってんの?w


唯一良かった点というか、相対的に本編とは違和感があったがEDアニメの作画レベルは異次元のクオリティだった。
異様なほどに美麗。
コストにシビアなA-1でこれ程の品質と考えた時、やっぱりそれなりの資本が注ぎ込まれた作品なんだろうな。

だが金を掛けるべきポイント、いやそもそも作品として本当にこれでよかったのか?
そう思わずにはいられない色々残念なアニメだった。


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[主題歌]

OP
ナナヲアカリ「Higher's High」

ED
スピラ・スピカ「サヨナラナミダ」

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