笑わせてよ

不滅のあなたへの笑わせてよのネタバレレビュー・内容・結末

不滅のあなたへ(2021年製作のアニメ)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

これはもはやアニメと言うよりも伝記…?フシという存在を通して沢山の人の人生が描かれていく。こんなに生と死をストレートに表現出来ている作品って他にあるのかな?ただのアニメとは呼べない、芸術と呼びたい。


・フシはもちろんのこと、登場するキャラクターの全てが愛おしいし家族のように大切に感じるようになる。フシがそう思っているからこそ、アニメを観ている側も感情移入してそう感じるのかも。誰一人として今のフシを形成するのに欠けてはいけない存在で、これって私たちみたいな現実の人間を作る上でも同じなんじゃないかなって思った。
最初はマーチはすごく子供っぽくて頑固だし、トナリは自己中心的で嘘つきで好きになれない!!って思ってたけど、そう思うのもきっとマーチやトナリみたいな人格が私の中にもあるからなんだろうな、と気づいた。普通なら良くは思われないようなそんなネガティブな性質も、人間を形作る上では必要不可欠で、マーチやトナリと接したからこそフシはより人間らしさを手に入れることが出来た。他にも、フシはパロナからは強さと慈愛と優しさ、ピオランからは知恵、敬愛、家族を失う苦しみ、グーグーからは人を「好き」という気持ち、兄弟愛……色んなことを学んできた。「不滅のあなたへ」は観た人が人間をもっともっと好きになるアニメだと思う。傑作。
・今までどうして考えつかなかったんだろうってくらいシンプルな設定なのに、ストーリーは信じられないほど深くて訳が分からないくらい感情をぐちゃぐちゃにされる。1つ1つの重みが凄くて一気見せざるを得なかったし、泣こうとなんか1mmも思ってないのに自然と涙が溢れた。何なんだこのアニメ…。
・「ノッカー」という敵を倒すという使命が明確で分かりやすいし、ハヤセも分かりやすく気持ち悪いから助かる。にしてもハヤセメンヘラ過ぎるな…「私を殺してフシが私に変身できるようになれば、私とフシはひとつになれる」って、論理が破綻してめちゃくちゃ言ってるようで筋が通ってるんだよな。きっっっもちわる!!!
・op&edどちらも「不滅のあなたへ」の雰囲気をめちゃくちゃに引き立ててて最高すぎる。作った人本当にわかってる…ありがとうございます😭
opはフシの中に蓄積されている情報を一緒に見ている感じがして、フシの中に入り込んでいるような。宇多田ヒカルさんの『Pink Blood 』もバッチリハマってる。edはリアルな絵を使っていることで、本当にあった歴史なんじゃないか、フシが本当に経験した出来事を私たちは見ているんじゃないかって錯覚できてとてもとても良い…。
・3話だったかな?詳しくは忘れたけどフシが初めて「アリガトウ」ってたどたどしく人語を話すシーン、本当に全身に鳥肌立ったのを覚えている。たぶんこれ以上の体験をアニメを見てすることって今後まずないと思う。
・opでマーチが大人の姿になって子供たち(お人形さん)のお世話をしているシーンがちらっと映るんだけど、毎回そこで涙腺グッ…ってされる。本当にやばい。
・フシの戦闘シーンがワクワクワクワクする!!!不死身という超チート能力の上に、触った武器なんでも生み出せる、しかも巨大グマに大変身!!とか主人公過ぎて本当にかっこいい……!!!!グーグーで炎使うのもめちゃくちゃかっこいいし🔥
・フシがスラスラ喋れるようになっても、たまに声を発する時にちょっとだけ詰まる(「ぼ、僕は…」みたいになる)の声優さん芸達者すぎてすげぇ…ってなった。


・フシ!!!!何故ハヤセを早く殺さない!?嬲り殺せ!!!っていつもイライライライラする。フシが共感覚を持ってるから人間を殺したくないっていうのは分かるし、優しいから殺せないのも分かるんだけど、1回その信念曲げてハヤセだけ殺って欲しい…お願い……絶対邪魔だって将来。
・ノッカーがどこから生み出されたのかとか、黒い人は創造主なの??とかそういうところが未だに謎すぎる。まぁ多分そういうところ明確にしすぎちゃうと面白さ半減しちゃうんだろうからしかたないけどね…。
・ジャナンダのコロッセオで最初の1対1の試合の時グロすぎて見てられなかった。頭に斧刺さるのは良いとして、視界が血に染ってくのグロすぎ……。採血とかですら気持ち悪くなっちゃう勢からしたら本気でオエッてなった…。

亡くなった愛犬に似てる犬が出てたからなかなか見るの躊躇してたけど、見て本当に良かった。「不滅のあなたへ」に出会えた人生で本当に良かった。単行本もいずれ全巻揃える予定!2期見るの楽しみ!!!
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