球体として地上に生まれ落ちた不滅の存在・フシが様々な生命に出会い、感情やその姿を獲得していく物語。シーズン2。
シーズン1の神秘的で儚げな雰囲気が個人的に刺さって大好きだったのだけど、シーズン2では信仰や輪廻なども盛り込み話のスケールがどんどん壮大になり、フシの能力についてより深く描かれるにつれ命のニュアンスも変わっていった。情感を伴うものじゃなくて概念的なものに近くなったというか。元々哲学的な要素はあったし変わらず面白いんだけどちょっと自分の好みとは外れてきてしまったなーというのが視聴中の正直な感想だった。
ボンはとてもいいキャラだし子安さんの声も滅茶苦茶良くてエピソード的にも好きだったのだけど、その後のレンリル舞台の話は物語の進行が鈍重で中弛みした感は否めない。
フシの超人ぷりにも段々ついていけなくなり、死んだ人が生き返るくだり辺りから理解もし辛くなっていった。
それでも最終回は結局感動している自分がいたのだから、観てきた甲斐があったというものだ。
どこまでも果てしなく捉えきれないくらいに世界が広がっていく幕切れ。でもどこかビターなのがこの作品らしい。
毎週観てきたエンディングの解釈がガラリと変わる展開に「やられた！」と思った。こういう細やかな仕掛けには弱い...。
そして何だか自分の体の中にも空が広がったような不思議な感覚があった。生命の環が続いてきたことに唐突に気付かされるような。登場人物たちに命を全うして生きろと言われたようで背筋が伸びた。
シーズン3も制作が決定したとのこと。もうここからは全く毛色の違う話らしいので、気持ちをリセットしてカーテンコールとして楽しみたいと思う。
