タムメット

攻殻機動隊 SAC_2045 シーズン2のタムメットのネタバレレビュー・内容・結末

攻殻機動隊 SAC_2045 シーズン2(2022年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かったがストーリーが複雑です。
シーズン1と2を総括します。

良かった点は大きく分けて3つ
1つはアクション。
やはり攻殻機動隊と言うだけであってCGでも良いと感じた。
CG技術も上がってると関心。
2つ目は新キャラの存在。
いつもの公安9課の面々に加え、江崎プリンと言うキャラに焦点を当てていた。
彼女の生い立ちやキャラ性は物語に新しい雰囲気を持ち込み、大きな役割を与えていた。
3つ目は最後に字幕を利用した、ある手法が画期的だと言うこと。
あれ凄いですね、喋っている音声と字幕が微妙に噛み合っていない。
だからこそ、直接頭に響いてくるような感覚になる。二重思考(ダブルシンク)ってこういう事なのかと体幹出来た。

難点は大きく3つ。
1つは敵役のポストヒューマンのキャラ性が弱いこと。その他一般人から生まれる産物なので仕方がないかも知れないが、喋らないのは良くない。さらに強すぎるものだから始末が悪い。
強いなら、もう少しキャラ性を強くして欲しかった。
2つ目は、素子の影が薄いこと。
ポストヒューマンが強すぎるおかげで圧倒的な素子の戦闘シーンが少ない。
加えて、新キャラの江崎プリンもいるので素子が物語から一線を外れているように思える。
主役としては活躍が薄かった。
3つ目はストーリーが複雑化してる。
後半から少しづつ良く分からない展開で進みます。
最後にはマトリックスのようなシステムもあり
人類は夢を見ている?
さらには最後に素子がバトーに対して
「忘れないで私たちがこの時代に存在していた事を」
この台詞ですが、恐らく"たち"というのは江崎プリンも入っている?
加えて最終話のタイトルが「事象の境界線」なので世界は分岐した?
素子は最後、何かに吸い込まれるように落下していったので、元の世界線に戻った?
他にも色々と謎が残ります。
観終わってもスッキリとはしません。

ですが何れにしろ、視聴者に解釈の余地がある。
こういう手法の作品は好きです。
ジョージ・オーウェル著の「1984」がテーマにもなっているので読んで見ようと思う。
その後に、また全編通して観ることにする。
色々考えさせる作品です。
考察もしがいがある。

後余談ですが、ED曲がとても良かった。
かっこいいし、綺麗。
「No time to cast anchor」という曲名なのですが何回も聞けてしまいます。