ゆりな

ハチミツとクローバーのゆりなのレビュー・感想・評価

ハチミツとクローバー(2005年製作のアニメ)
4.1
原作も大好きだけど「わかる」「泣ける」のオンパレードで、一話一話が短編小説のようにグッと来た。
全く同じ経験はしていないはずなのに、「この感情知ってる」の追体験がすごいんじゃあ。

最初のシーンが観覧車ではじまり、エモさマックス。はぐちゃんが電車に乗って上京するシーンもあって、漫画にないシーンが良い意味で追加されていてエモいのなんの。 
 
主人公であるはずのはぐちゃんの気持ちは内側から描かれることが少なく、取り巻く周りの登場人物の方が繊細に苦しいくらい描かれている。
改めて見ると、花本先生・理花さん・原田の3人の関係も泣きそうになる。男女の三角関係でもなく、ただただ「絆」と「思いやり」なんだなぁ。

中高生の当時、漫画を読んでいたときは気づかなかった気持ちが、たくさん落ちていた。
花本先生が「仕事で1年間不在にする」というのも大きな決断だし、秋の院生の文化祭で「去年までは毎年用を作っては彼の姿を探してた」も、全く同じ経験したはずではないのに手に取るほど分かったし、山田が好きだからこそみんなが真山に抱きついているときに抱きつけないのも、、あぁ分かる〜〜ってなった。

「何者にもなれる」と思っていた、20前後のときよりも竹本くんの凡人ならではの葛藤も分かる。野宮さんのスマートさや、モテるゆえに真山が心配しちゃう気持ちも、自分の好きな人の好きな人に嫉妬する気持ちも。 

はぐちゃんと森田は「ラ・ラ・ランド」みたいに永久にライバルで、私も好きになる人や恋人はよきライバルでもありたいな、と思うのでキュンとした。

1話ではスピッツのハチミツ、途中ではスガシカオの月とナイフ……と原作のタイトル名の2つのアルバム曲が出てくる粋な演出に泣いた。
竹本くんの自転車の旅も、漫画よりありありと情景が描かれていたし、自転車を漕ぎながら流れる「スピカ」は最高。
 
夏が終わる時期に、最終回も8/30で、同じ時期に見られて沁みた。
そして終わりかと思ったら、原作ラストまで続くシーズン2があるのね……!見ます。
ゆりな

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