“全員片思いの逆走ラブストーリー”
「PSYCHO-PASS」など常識に囚われないアニメーションを放ち続けるフジテレビの深夜アニメーション枠「ノイタミナ」。その枠の記念すべき第一回アニメーションは、羽海野チカさん原作の同名漫画のアニメ化。5人の美大生によるピュアで切なく甘酸っぱい恋愛を描写した青春逆走ラブストーリー。監督はこの後に同じくノイタミナ作品の「のだめカンタービレ」を手掛けるカサヰケンイチさん。シリーズ構成・脚本は「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜」の黒田洋介さん。アニメーション制作はJ.C.STAFFさん（「食戟のソーマ」）。
美大生の竹本は新入生のはぐみと出会い、一目で恋に落ちるが、竹本の先輩の森田も彼女に一目惚れ。竹本の先輩・真山は年上女性に惹かれており、真山の同級生の山田はその真山に片想い。報われない恋と将来への葛藤が向かう先は……
アニメに初めて触れたのは、これではなくて「Ⅱ」であり、どっちかっていうとボクは「Ⅱ」の思い出ばかりです。なので今回ようやく初めて1期を拝見できました。
まあ、結論から言いますと、ちょっと……な作品です。2クールに収めなければならない事情が駄々洩れで、そのせいでいくつか話は性急をしすぎてて、話に夢中になれないところもいくつか感じてしまいました。それに都合でカットされたパートは結構大きくて、それをアニメ化してたらきっともっと流麗だった気が……。だから1期は悪くは無いけど、ちょっと残念でしたね。原作漫画もカットされたところも好きだし尚更に……。
ですが原作漫画のときに感じたテンポやギャグ感に、キャラクターに命を吹き込む声優さんの演技力、原作イラストを絶妙にアニメに落とし込む作画……それらが非常に素晴らしくって、だから結局好きですね。音楽もOP・ED・挿入含めて最高で、これのお陰で新たな推しのスピッツの曲を見つけたし（「夜を駆ける」）。
改めて振り返ると、やっぱり惜しい作品です。
何というかもっと色々やれたような気がします。来年1月再見予定の2期ではどんな新発見が、何が色々見えるのか？……とにかく見るのが楽しみです。
