hmz

ハチミツとクローバーIIのhmzのネタバレレビュー・内容・結末

ハチミツとクローバーII(2006年製作のアニメ)
-

このレビューはネタバレを含みます

高校生の頃原作を読んだ時には、はぐちゃんが花岡先生を選んだことを唐突に感じた。
けれど大人になった今なら、はぐちゃんが選ぶ相手は森田さんでも竹本くんでもなく、花岡先生一択でしかないと思う。

竹本くんの、何かしてあげたいけど何もできない自分の未熟さを認めて身を引く感じも痛いほどわかる。
高校生の私にとって、森田さんはなんでも器用にできてしまう何を考えてるのかわからないお兄さんで、そこに畏怖のようなものを感じていたけれど、本当はすごく色々気を使って必死に生きてる普通の若者だし、自分の自暴自棄にはぐちゃんを引き摺り込もうとする弱さと、それを認める誠実さもある。

はぐちゃんは男の子二人のいい部分も絶対わかってる。
だから、花岡先生じゃない相手を選んだ人生も、きっと楽しかったでしょう。
でもはぐちゃんにとってきっと、絵を投げ出した後の人生は、それはもう本当の意味で生きている状態とは呼べないのでしょうね。

大学四年生って、大人のようでまだ子供の部分もあって、周りの意見や常識と呼ばれるものが邪魔をして、自分にとって正しい選択をすることが実は本当に難しいことだったりする。
だから、自分にとって何が最優先かちゃんとわかっていて選べるはぐちゃん、本当にすごい。
あれだけ才能が突出していれば(ある意味他のことは何もできないと言ってもいいほどに)確かに選択肢は明白ではあるし、特殊な環境だからこそ選べる贅沢でもあるのだけれども。

大人になって改めて観て感じたことはたくさんあるけれど、一番に思ったこと。
花岡先生が本当の意味で大学を卒業できてよかった。
そして、やはり藤原啓治さんの演技は最高でした。

10年以上開いていないけど手放さずに大切に持っている原作を、久しぶりに読みなおそうと思います。
hmz

hmz