せせり

モノノ怪のせせりのレビュー・感想・評価

モノノ怪(2007年製作のアニメ)
5.0

定期的に観てしまう作品。

怪-ayakashi-の中の化猫の主人公薬売りをメインに綴られる5編のストーリー。
妖しい薬売りの男が現れる先には、モノノ怪あり。モノノ怪は切らねばならぬ。形と真と理の3つが揃った時、退魔の剣は開きモノノ怪は祓われるのだった。
短い中で、直接的描写は少ないものの敢えてゾワッとする演出と解釈や謎に包まれた終わり方で何回見ても面白い。
特に、『のっぺらぼう』で描かれる自分を押し殺して生きた女が生み出した哀しきモノノ怪と薬売りが見つけ出した真と理が考えさせられた。母の期待に応えよう、母の事が好きだからと自分に暗示をかけて心が壊れてしまったお蝶と母親の関係は正に最近で言う毒親と子供の関係性だなと…。

絵柄は時代劇っぽく和紙に描かれた様な雰囲気で、極彩色のタッチが派手で美しい。鵺では白黒にポイントやシーンによってカラーになる演出が伏線になっていてそこも面白かった。好き嫌いがわかれるとは思うが好きな上位5本に入るくらい良作だと思っている。

今年15周年という事で映画化の話があったが、何かとゴタゴタした印象だったのでアニメだけで充分だと思ってしまう今日この頃。
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