KengoTerazono

ひだまりスケッチ×ハニカムのKengoTerazonoのレビュー・感想・評価

ひだまりスケッチ×ハニカム(2012年製作のアニメ)
-
最後にふさわしい、最高の作品だった。特に、3年生にフォーカスする回ははずれなし。いままで母親としてみんなの慰安に努めていたヒロのモノローグが主軸となる回がある。あれは素晴らしい。モノローグの美しさ、シンプルだけれど大きく普遍的な悩み、ヒロと沙英のホモセクシャルな要素を生かしたクライマックス。
ホモソーシャル/ホモセクシャルな要素は、この作品において大きな位置を占めている。同学年でカップリングされているが、1番危ういのは紛れもヒロと沙英だろう。両者がその危うさに気づいていない、つまり自分達の関係性を友達と位置付けているところで、一種の毒抜きをしている。だが、その直後に百合的な要素を確信犯的に入れている。毒抜きすることで、その毒をより一層意識させるスタイルはとても面白い。従来はホモソーシャルを描く上で、ホモセクシャルな要素が不本意ながら混入してしまうので、後者を打ち消すべく友情を強調する。だが、この作品は百合を打ち消すなんて微塵も考えず、むしろそれを強調するかのように上記の方法を使っている。もう結婚しろよ。

この作品は入試を待たずに終了する。断続的だけれど、連続している物語をこれまで描いてきた。いつか終わるコミュニティの最後を描かず断続させるやり方は、このコミュニティの永続性を匂わせているようで、すごくいい。このシーズンだったか忘れたが、大学生の先輩が卒業旅行を思案しているシーンがあった。ヒロと沙英も、いつか6人で旅行に行きたいというような話をしている。今のひだまり荘が解散してしまった後も、彼女らの緩やかな連帯は続いていくことが暗示されているようで、断続と連続は循環しているのかなと思わせる。
KengoTerazono

KengoTerazono