やなぎ

フリクリのやなぎのレビュー・感想・評価

フリクリ(2000年製作のアニメ)
4.5
全体に纏うインディペンデントな空気が最大の魅力。the pillowsの音楽も一役も二役もかっている。

背伸びしたがってたあの頃の幼心を肯定してくれる作品。
つまり思春期に観るべき作品かもしれない。

少年少女の成長ストーリーの一つだが、子どもが「大人に成る」のでなく、「子どもであることを取り戻す」という面白さがある。

この作品において「大人」は悪口であり馬鹿にされる対象。
でも少年少女達は背伸びしたいから、「大人」のフリをしてて、世界に対して物分かりのいいフリをしてる。
そして彼らを子どもに戻すのは、主に宇宙からきたヤバい奴らってところが最高。もう嫌でもとにかく壁をぶっ壊してくれる。


『長靴を履いた猫』の引用が使われた第3話が特に印象的。フェイバリットエピソードだ。

ニナモリは大人がズルいということを知った上で(嫌悪したうえで)大人のフリをしようとしている。
自分を騙したままでも、ズルいままでも幸せになれるよね!と強がっていた彼女だが、
宇宙からきたヤバいやつらのせいで素をさらけだし、自分を偽っていたことを認める。

子どもに戻れたからこそ、ラストシーンの伊達メガネは意義深い…

布施明も「変わったぁぁーーー」と歌い上げてくれるだろう…
やなぎ

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