世の中の関節は外れてしまった。ああ、なんと呪われた因果か。
なんて独特な比喩を使うんだろうと思っていたらシェイクスピアのハムレットの引用らしい。ハムレットやテンペストの小説を読んだこともなければ演劇を一度も見たこともないが、度々この2作品の一節を用いるし内容を知っていれば幾分か面白さが増すかもしれない。作中でも説明はあるけど。
辻褄が合わない、道理が合わない、理屈に合わない。理不尽、不合理に抗う物語。
序盤はファンタジーアクションサスペンスミステリーかと思いきや中盤からはラブコメSF青春からの大筋のミステリーと物語りの根幹に入るっていうかなり挑戦的な作品だった。中盤前後からが特に面白かった。
1番魅力を感じたのはW主人公の友情というか、お互いに人間として認め合って尊重し合ってる感じと、全ての登場人物がお互いがお互いを強く認識しあってるが故に繰り広げられる会話。どことなく物語シリーズを連想した。
あれだけ他人を分かってあげられて、逆に分かってもらえるのは見ているだけでも心地いいし、羨ましくも感じた。