八咫烏

絶園のテンペストの八咫烏のレビュー・感想・評価

絶園のテンペスト(2012年製作のアニメ)
3.6
「はじまりの樹」と「絶園の樹」をめぐる、世界の存亡をかけたダークSFファンタジー。
一瞬で滅んだ街と少女の死の真相。
前半は異能バトルにミステリーを絡めた作り。
シェイクスピアをモチーフにしていて、度々引用されるのでセリフが演劇じみている。劇伴もクラシカルで重厚感を演出。

だがしかし後半はラブコメ展開。
演出はもとよりopや劇伴、作画の色合いにセリフもガラリと変わる。
この物語にラブはともかくラブコメは、果たして必要かな?
SF要素が加わって離脱せずに済んだが、序盤の個性が失われた感は否めない。

とはいえ要素としては、ファンタジーにミステリー、ラブストーリーにSFにタイムパラドックスと盛りだくさんだし、作り込まれたストーリー。
序盤で死んだ少女が最後まで絡んでくるし、最終的に背負うのがあのキャラというのも意外性がある。

作画は良いし、前半の展開は嫌いじゃなかったのに、最終的に印象が散漫になってしまったのが残念。
何かしらがフックになれば成功ということなんだろうか。
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