うにたべたい

パシフィック・リム: 暗黒の大陸 シーズン2のうにたべたいのレビュー・感想・評価

2.9
アニメ版パシフィック・リムの第2期です。
元々シーズン2構成だったようで、シーズン1は続きありきの終わり方でしたが、シーズン2で一応完結しています。
シーズン1は収まりの悪い中途半端な終わり方だったので、これから視聴するのであればシーズン1とシーズン2は続けて見たほうが良いと思います。

全7話で、一話あたり20分ちょっと、つまり1クールあたり140分程度で、映画一本より少し長いくらいの尺です。
シーズン1から引き続いて英語音声の日本語字幕で観たのですが、声については慣れが勝った気がします。
ただ、フルCGのアニメで、ロボと怪獣のバトルはがんばっていると感じましたが、人間の動きは全編を通して不自然さを拭えませんでした。

前作に引き続いてトレーニング用のイェーガーに搭乗し、テイラー・トラビスとヘイリー・トラビスが両親を探す旅に出ています。
テイラーは、妹のヘイリーと旅の途中で出会ったロアの年頃の女性2人と旅を続けることになったのですが、この2人がデレる要素が皆無でした。
日本向けのアニメであれば、襲い来る怪獣を幸運が味方したウルトラプレイで退け、ロアがテイラーに少しずつ惹かれてヘイリーが兄にやきもちを焼くという王道展開を踏みそうなものですが、そういったお遊びは一切なし、ただストイックにストーリーが展開してゆきます。
なんのためキャラを美少女設定にしたのか。
逆に言えばアニメ的なお約束がないため、普段アニメを見ない方には良いのかなと思います。

一応、本作で、両親の行方や全編で出会った「ぼうや」について解決していて、完結はしていると思います。
ただ、怪獣と人類の戦い自体は続いていて、見終わってもスッキリと終わった気持ちになれないところがありました。
また、ぼうやを狙う"シズターズ"という謎の組織が現れるのですが、結局シスターズとは何なのか謎のまま終わったのも釈然としませんでした。
フルCGのロボ対怪獣のぶつかり合いシーンは、頑張って作っているとは思いましたが、迫力は薄いです。
怪獣バトルに迫力が感じられないパシフィック・リムとか正直、価値が激減してると思うんです。
予算の関係とかで映像に力が入れられないのであれば、主人公がやたらに叫ぶとか、勢いでカバーできそうなものですが、残念ながら淡白なバトルシーンだったと思います。
実写の方は怪獣にボコボコにされて、外部からコクピットむき出しになってまで戦ったのに、アニメではロボと怪獣のバトルで主人公が死ぬシーンを想像すらできないのは、ちょっとどうかと思います。

総評として結構残念なところが目につきましたが、毎話毎話、次回に続くうまい引きで終幕していて、次が見たくなる作りになっています。
テンポも悪くなく、パシフィック・リムとしてではなく、こういう雰囲気のアメリカ作成のアニメだと割り切れば、それほど悪くもなかったと思いました。
個人的にはおもしろくないわけではなかったです。
無いと思いますが、もしシーズン3が作られれば見てみたいですね。