彦次郎

DYNAMIC CHORDの彦次郎のレビュー・感想・評価

DYNAMIC CHORD(2017年製作のアニメ)
2.5
音楽事務所DYNAMIC CHORDに所属する4組のバンド[rêve parfait](レーヴ パッフェ)、Liar-S(ライアーズ)、KYOHSO(キョーソー)、apple-polisher(アップル ポリッシャー)を描いたアニメで原作は乙女ゲーム。オープンカーで雨の中ワイパーは動かすも幌もかけずに駐車する異常者を始め似たような顔のイケメンたちのみが現れる『魁!!男塾』とは違うベクトルで男しか出てこないという突き抜け方です。
顔が変わるような作画崩壊は昔のアニメなら分かりますが、オープンカフェが歩道まで浸食する違法建築だったり、キッチンに立つ場所が激狭だったり、神社で鐘が鳴ったり、病室がどうみてもマンションの一室だったり、天井からシートベルトが伸びていたり、現実ではありえないY字のセンターラインを走ったり、階段を降りるときにカクカクする処理落ちしたり、吊り橋みたいなのからすり抜けて落ちたり、車やスクーターが直角で曲がったりするというのは2017年当時でもヤバさで愛好者たちからは「ダイナミック作画」と呼ばれております。特に夏合宿で夏バテをした際に呼んだ医師がどうみても19世紀から出てきたみたいな爺で不覚にも爆笑してしまいました。
更に”サウンド面ではショックなシーンでピアノの不協和音の効果音が2回流れた後に1音ずつ区切って流れることから通称「追いピアノ」と名付けられたり”(wikipediaより引用)とかバンドに上から目線で対応するカメラマンのシャッター音にエコーがかかったり(撮影する角度もおかしい)と音楽アニメなのに音響もイカレているダイナミックさです。なお音楽の動きは怪しいですが声優さんや歌そのものは良かったことは作品の名誉のため記載しておきます。
ここまで読まれた方は作画や音響に突っ込むのは野暮と仰るでしょうが話のほうもヤバいです。出だしから登場人物の名前紹介などないうえにメンバーが直ぐに失踪する展開で基本的には不条理な話が多く理解が追い付きませんでした。最後の村祭りということでライブに参加する話も2日でライブ会場を設営(それまで木材で組んでいて土台もろくにできていなかった)し大量の集客を果たすという村とかツッコミどころが満載なのも不条理さに拍車をかけています。
新曲も作らず練習もしないのに海外に行きたいと我儘を言い放ち献身を尽くすマネージャーが旅にでたら思い当たる節が無いと言い放つレバフェ(rêve parfaitの愛称)の面々は不愉快さがカンストしそうですが練習もなし(前日に滝修行している)にぶっつけ本番の大舞台で新曲披露を成功させるのは凄い(メンタルも含めて)と思いました。
話はクソつまらんですが観ていると元気になれる伝説的な作品です。
彦次郎

彦次郎