八咫烏

WOLF'S RAINの八咫烏のレビュー・感想・評価

WOLF'S RAIN(2003年製作のアニメ)
3.7
監督が岡本天斎、音響監督は若林和弘、音楽菅野よう子、脚本信本敬子。。本気の布陣。

絶滅したはずが、実は人に紛れて存在している狼たちが「楽園」を目指す物語。
寡黙な主人公キバ、馴れ合いを良しとしないツメ、バランサーのヒゲ、怖がりで幼いトオボエの4頭が、さらわれた花の少女チェザを追いかけていく。

作画はこの狼たちの描写、動きがさすがボンズで見応えがある。
人→狼の変化の表現が独特。
主人公のキバが何とも魅力があるのだけど、どうもツメのキャラデザだけは最後まで慣れなかった。時代なんだろうけど、角刈りなんだもん笑

退廃的な世界観には謎が多いが、原作が無いので解釈を視聴者に委ねる部分が大きい。
画面の色調が暗くてストーリーもシビアだし、全体的にダーク。
多少強引な展開もあるが、最近のアニメには無いテンポと、この雰囲気がいい。

ただ見始めて思い出したんだけど、そもそも犬が酷い目にあう作品が苦手なんだ。。
特にラスト4話。
この4話は何故かTV放送はなかったらしい。
狼たちの世慣れない感じが不憫で、愛おしくならざるを得ない。
すっかり感情移入してしまったのでしんどかった。。
最終回に救いは僅かにあったけども。
僅かすぎて帳尻が合わんよ。
とはいえ良作であったのは間違いないと思う。内容は全く違うけど「ガングレイヴ」を観た後みたいな充足感が確かにあった。
過去の名作の掘り起こしって大事。
八咫烏

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