えな

赤毛のアンのえなのレビュー・感想・評価

赤毛のアン(1979年製作のアニメ)
5.0
10年ほど前に観たことはあったのだけれどとびとびで観てたので、初見の家族と一緒に1話から鑑賞。3ヶ月ほどかけて完走した。結論から言うと本当に素晴らしく面白かった。
原作も読んではいるけど原作に忠実でありながらこのアニメは原作をこえてきてる。それがほんとうにすごい。
大人になってから観ると、マリラのひとの良さを感じる。前に見たときは厳しくて怖い印象があったけれど、意外とすぐ自分の間違いを認めてるし、優しさと甘やかしを混同しないようにしていて誠実なところも感じる。アンが落ち着いてからのマリラはもっとわがままに振る舞うこともできるのに、100%アンのためを考えようとしてあれこれ自制している。「アンを養子にしてない」というのも驚いた。そんなマリラも最後の最後には自分の弱さを認め、そこではじめて親子になったように見えた。微妙な距離感が丁寧に描かれてて興味深い。そもそも老夫婦ではなく老いた兄妹が里子をとるという設定が面白い。
そしてギルバート!いちばんかわいそうじゃない!?w実はずっといいやつなのに、あんなに長いこと目の敵にされて…それでもアンに優しくするなんて人間ができてるなあ。アンの強情の裏にあるギルバートへの想いや未来を知ってるとまた面白い。
終盤老いたマリラのベッドのシーツが炭治郎柄なとこで毎回笑ってしまって和んだ。
正直、原作では脇役1人1人の魅力はそこまで感じられなかったけど、このアニメ版ではダイアナやジョセフィンおばさん、リンドのおばさんやジョーシーパイまでとても魅力を感じる。ジョセフィンおばさんがどんな人生を歩んできたのか、どう考えてきたのかすごく気になった。
「1ダースの男の子より」って言葉でしばらく泣ける。
人生は曲がり角がたくさんって説教じみた手紙も私にしては珍しく素直に感動した。面白かったなあ。またいずれ見直したい。
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