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灰羽連盟のMondeFilmのレビュー・感想・評価

灰羽連盟(2002年製作のアニメ)
4.1
1.
 灰羽連盟が気軽に見れるいい時代だ。『天使のたまご』の時も思った気がする。この作品がアニメ化されている事実。2023年の方が技術は進んでいるはずなのに、余裕が減っている。こんなに素朴な線は今では描けないかもしれない。テクニックをつかってしまう。どこか理想化された近世を思わせるが、ナーロッパとは一線を画す。『水の都の守り神』から『天国大魔境』まで。羽のグロテスク。聖書。ユーモアとのバランス。ED畑亜貴かい。『テイルズオブジアビス』とか『ICO』とかこういう平成中期のファンタジーの弱い。
2.
 理想の体現に近い世界なのに制作側の欲望が透けてこない。綺麗ではあるがあの街には居たいと思わない。痛みやグロテスクが包摂する。そして無理やり輪っかを固定するユーモラス。整っている。宮沢賢治に近いのかもしれない。オタクと宮沢賢治の親和性について説明するための導線。一期『鋼の錬金術師』。ジョウト地方。劇伴もアニメーションによく沿っている。嬉しい。ただEDはなんか好きじゃない。平成日本の謎クワイア。やるなら『エルフェンリート』くらいやってくれ。あの曲調で日本語だと無気味の谷に落ちる。『仮暮らしのアリエッティ』。
 古着しか着てはいけない、「手帳」。人でないからこそ天使。網野善彦。
3.
 気の置けない仲間たち。結構辛辣なやり取り。傷つけあうことすらできる間柄。上辺に留まらない関わり。『ガンスリンガーガール』。『ヴァイオレットエヴァーガーデン』。
4.
 アニメ渉猟の楽しみ。名前だけ知っている作品を手当たり次第に当たって行く。色々と作業しながら。インストール、アイロン、洗濯。
 羽があるのに鳥のようには壁を越えられない。それでも仕事や生活の些事に美しさを見出す。高いところからの眺め。それで生きていける。
6.
 アバンが無い。唐突に始まるあのメロディ。嬉しい。少しづつ不穏になって行く。別れの気配。そういえば知っている声優が少ない。古い作品というのもあるが...
7.
 アバンがあった。『ファミレスを享受せよ』。悲惨なムーミン。そんなにクーと仲良かったか?小さい頃のレキ、『なるたる』に出てきそう。雰囲気が通底している印象がある。
8.
 レキ可愛いンゴねえ。Lainでもあったようなカラスへの執着。電柱か?奇異の目がもたらすラッカのあの顔!凄すぎる。ダブルパンチ。友人の喪失と原因不明の病。
9.
 トーガに助けてもらうストーリーテリング。
10.
 若干荒削りな絵?抽象的な話が増えて行く。謎かけ。2000年代特有の雪。レイヤーが上。
12.
 隣に誰かが居れば...ループから脱するための他者。結局1人ではどうしようもない?ある種の絶望。クリスマス。誰かのためを思う行動。
13.
 ワイは隣に誰もいないので救いがないンゴか?
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