ぴっつぁくん

ピーチボーイリバーサイドのぴっつぁくんのレビュー・感想・評価

ピーチボーイリバーサイド(2021年製作のアニメ)
3.6
【元お姫様とイケメン桃太郎の鬼狩り物語】


このアニメは個人的に新しくて面白かった。
一つだけ大きなマイナスポイントがあったことが惜しまれる。

有名な昔話に出てくる「桃太郎」が中世ヨーロッパらしき国で鬼を退治するストーリー。
エルフや亜人なども存在しファンタジーの世界で桃太郎と犬が鬼を絶滅させるために旅をしている。
しかしその話はサイドストーリーのようなもので主人公格はサリーという元お姫様。


サリーは卯人のフラウという亜人と共に旅をしながら桃太郎と同じ鬼を倒す特殊な力で鬼と戦ったりする。

途中で加わるパーティーも特殊能力を持たない剣士や元鬼側の鬼などバラバラでアンバランスだがそれぞれ違った属性のメンバーが絆を深めて繋がっていく様子がまた良い。
サリーは道中で「人間も鬼も亜人も争わず妥協しあっていく世の中」を目指すことを決意。

鬼側にも皇鬼という同じ思想を唱える者がいるが、サリーに凶暴な鬼を差し向けたりするあたり本当の狙いはわからない。


サリーはいまのところ目の上に桃のマークが出ている間は覚醒状態になり鬼を瞬殺出来るくらい強いのだが、その力の秘密もまだ明らかにはなっていない。


サリー、桃太郎、皇鬼、それぞれ考え方が違う3人のこれからが気になるところでシーズン1が終了。


けっこうグロ描写もありダークな世界観とライトな世界観どちらも兼ね備えているようなテイストで面白かった。

桃太郎が鬼を倒すとき不敵な笑みを浮べるのだが、昔話の桃太郎の歌で4番?の歌詞で「お〜もしろいお〜もしろい」と言いながら鬼を斬っていることからインスパイアされたんだろうなと思った。


犬だけ桃太郎に付いている理由が不可解で
サリーの本名はサルトリーヌで猿鳥犬を表しているということで犬だけ連れている理由が分からなかった。


人間とそれ以外の共存をテーマにした作品、「鬼滅の刃」「東京喰種」などを想起させる良作だった。
しかし
話が急に飛んだり戻ったりするところが本当にもったいなかった。
初めに違和感に気付いたのは元鬼側だったキャラの名前が急に変わる瞬間だった。

どこかで見落としたのかと何度か巻き戻してみたが名前を変えるシーンは見当たらず、回想シーンかなにかを後でやるのかな?と思っていたら後の回で名前をつけるシーンが出てきた。


なにか違和感だらけだと思っていたらこのアニメは放送当時の時系列順をシャッフルして最終話が1番盛り上がるように収めようと無理矢理話を組み替えたということが判明。


これをすることによって初登場のキャラが出てきてもすでに主人公たちと面識があり親しげに話していたり、いつの間にかやられたことになっていて回想で出てくる鬼が次の回で元気に登場したりするということが起きていた。


これが本当に意味もなくただ話をややこしく分かりにくくしていた。


このシャッフル事件さえなければ良い作品だっただけに残念だった。
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