彦次郎

フルーツバスケットの彦次郎のレビュー・感想・評価

フルーツバスケット(2001年製作のアニメ)
4.1
幼いころに父を亡くし母親も事故で亡くし山で一人テント暮らしをする女子高生本田透が偶然にも同級生の草摩由希とその一族の草摩紫呉の家に居候することで始まるラブコメディ。原作は高屋奈月氏で”「もっとも売れている少女マンガ」として、ギネスブックに認定されている”(wikipediaより)という人気作品です。
美形揃いながらも異性に抱きつかれると十二支に因んだ獣に変身してしまう呪われた一族でもある草摩家の面々が天然ともいえる優しさを持つ透の影響で変わっていくお話で基本的には鼠憑きである文武両道で優しい王子的イケメン由希と彼を敵視するガサツで短気だけど根はやさしいイケメン猫憑きである夾という2人との三角関係がメインとなっております。
キャラクターの動き、止め絵の入り方、楽羅の暴れぶり、ファンクラブ「プリンス・ユキ」の面々などから愉快なギャグアニメという認識(知人から勧められたので無情報で観た)でした。が、紅葉の「馬鹿な旅人の話」やお母さんとのエピソードで不覚にも涙腺が緩んでしまいました。ふざけた話と思わせておいての不意打ちというか十二支それぞれが深く悩みを抱えているのが分かるということで実はけっこう重い話だったと気づかされました。そう考えるとオープニングの『For フルーツバスケット』が優しさに包まれており本作に合った曲だと思います。
終盤も猫憑きの秘密が明かされる展開となっており個人的にはかなり驚きました。
さてこの2001年版”キャラクターの性格や設定の変更、物語の重要な伏線部分の消去などが行われている。…また、コメディ要素が強調された形となっており、動物に変身する回数も多くなっている。…製作側の「自由に作らせて欲しい」との断りが尊重された。…最終回は放送当時、原作が完結していなかったため、アニメ版第1作独自の結末となっている。”(wikipediaより抜き引用)となっております。要するに原作完結前によるオリジナル要素も入れた独自性があるのですが声優のハマり具合と話のメリハリ、先述した音楽の良さも相まって良作といえるのではないでしょうか。

余談。本作を勧めてくれた知人は「初心者は新しいの(2019年版)を先に観たほうが現代に近いし馴染みやすい。しかし自分は古いの(2001年版)にハマっていた」と言っていました。全作観てみると好みはあるでしょうが頷けました。
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