彦次郎

フルーツバスケット The Finalの彦次郎のレビュー・感想・評価

フルーツバスケット The Final(2021年製作のアニメ)
4.2
美男美女が異性に抱きつかれると変身する体質の一族と前向きで優しい女子高生の恋愛ドラマ最終章。
十二支の神である慊人との決着がつくだけでなくそれぞれの人間関係にも決着がみられます。他の方のレビュアーにもありますが、けっこうドロドロした恋愛模様になっています。詳しく書くのは興を削ぎますので2期を観た方は事前情報なしにこのまま鑑賞していただきたいと思います。個人的にはどんでん返し的な要素があり恋愛という形式のサスペンス要素もありで作者の力量にただ敬服するのみです。
また本編と関係ありませんがオープニング映像の美麗さはシリーズでも突出していたと思います。
ネタバレなしで書きたいところとしては2名の人物。
1人目は慊人の実の母親である楝。先代当主である晶の世話係から正妻になった西太后みたいな人物で子どもである慊人に愛情を示さない、十二支たちと肉体関係を結ぶ(あるいはしようとする)、依鈴を悪辣に騙すなど本作での裏ボスのような悪党ですが晶に対する執着はサイコパスそのもので怖いものがありました。
2人目は夾のオヤジ。妻の死の要因を全て夾に擦り付け(実際はこいつの言葉で死んだ)夾が現れてもヒステリックに喚き散らし自分に一切の責任はなく被害者面をする恐らく作中でもトップクラスのクズ野郎。個人的には慊人や慊人を軽く凌駕するほどの不快感を視聴者に与えてくれたと思います。
あと今までのシリーズで記載していませんでしたが由希の兄とは思えないハイテンションな綾女。9割はふざけている人物ですが時折みせる兄らしさ、そして呪いとは関係なしに我が道をいく懐の深さ(生徒会時のエピソードがイカレすぎてて好き)は漢といえましょう。
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