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スイートプリキュア♪のKengoTerazonoのレビュー・感想・評価

スイートプリキュア♪(2011年製作のアニメ)
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懐かしい。恥ずかしながらずっと甘いプリキュアかと思ってた。

『ふたりはプリキュア』のリメイク的なことをしたいのかなとは思ったが、そういう意味では失敗だろう。『ふたりはプリキュア』的な想い合うプリキュア内の規則が全面に出てくることは多いがその都度敵の規則に回収され、従来的なプリキュア像にとどまっている。「家族」という「友だち」や「親友」よりも強い共同体を意味するタームも従来的なホモソーシャルな共同体としてのプリキュアイメージが強いためにそこまで機能しない。だから面白くなかったかと言われるとそういうわけではなく、楽しむことはできた。

ハミィとセイレーンのくだりは素晴らしい。ここではプリキュアがハミィを惑わす存在となる。プリキュアは敵だけでなく時に味方の妖精に惑わされることがある。敵と味方双方に揉まれながらも自助努力することで彼らとは異なる解答を出し、統一者となる。だが、ハミィとセイレーンのプロットにおいてはそれが逆転する。ここではあの妖精猫がプリキュアなのだ。彼女の声優がセイラームーンであることも示唆的である。ハミィは敵と味方の双方に揉まれながらも「世界を救う使命を投げてでもセイレーンを選ぶ」という解を示すことでセイレーンを救い、結果的に世界も危機から逃れた。ハミィはマスコットの立場でありながら精神的にはプリキュアとなったわけだが、これはある種「みんなプリキュア」に繋がることでもあるように思う。
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