めしいらず

家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネのめしいらずのレビュー・感想・評価

3.0
スイスからオーストラリアへと移住すべく船で向かっていた途上、嵐に遭難し無人島に漂着した一家の一年に亘った無人島滞在記。船から島へ持ち込んだ乏しい物資や食糧では持ちこたえられないから、自給自足のための様々な生活の知恵と工夫で生き残る方策を手探りしていく。火起こし、カヌー、住処、蝋燭、塩、砂糖、畑作、狩猟、ゴム、弓矢、ロープ…。必要なものは島で調達しなければならない。資材や食糧の材料が島に潤沢だったのは彼らに幸運だった。だが、猛獣、毒虫、マラリア、雨季、地震など様々な危険もある。こんな八方塞がりの中でも一家に悲愴感が皆無なのは、あるじたる父親の鷹揚な性質と教養の賜物のサバイブ能力の高さ、好奇心旺盛な主人公フローネの何事も楽しんでしまう根明な性質と無鉄砲な行動力が引き起こす毎日の刺激的トラブルのおかげだったのかも知れない。そして新たな漂着者二人を加え、彼らは遂に島を脱出する。
このアニメのドンピシャ世代なのでとても懐かしく観た。何と言っても無人島暮らしの魅惑。木の上の家への憧景。生活から学習する愉悦。正体不明のあの果実は何だったのだろうか。新たに加わった船乗りモートンが誤解されやすい性質で最初忌避されるけれど、彼が一度島を一人だけで脱出した本当の理由が後から明かされる場面が感動的で個人的にはこのお話のハイライトだった。
再鑑賞。
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