たも

86―エイティシックス―のたものレビュー・感想・評価

86―エイティシックス―(2021年製作のアニメ)
5.0
 とんでもなく素晴らしい出来栄え。原作未読で評判の良さだけ事前に知っていたけど、期待を何度も超えて、超えて、超えた。とんでもない作品に巡り合ってしまった。多分好きなアニメベスト3に入ってくると思う。
 3話のエンディングで鳥肌が立って「ああ、この作品はリピート確定だな」と思って「流石にこのクオリティをキープできないでしょ」とたかを括っていたら、11話までに何度も胸を鷲掴みにされた。あまりにも良すぎて胸が痛い。

 良いところがあまりにも多すぎてどこから手をつけて良いかわからないけど、まず1番秀でてる点は構成のオシャレさだと思った。こんなに美しい構成はあまり類を見ないと思う。前後の会話がボディーブローのようにジワジワ効いてくる。
 良い例えが浮かばないけど、オシャレなアニメの個人的な代表作はカーボーイビバップだと思う。あの作品は演出やセリフとかビジュアルやらなんやらがオシャレなんだけど、それに比べてこの作品は展開やそれに至るまでの経緯や、物語の余韻の描き方がオシャレで、切なくて、儚くて、美しかった。11話なんてもうね、このまま2期観れるの嬉しすぎる。
 鬱展開が苦手な人にはオススメできないけど、好きな人ならこの上なくハマると思う。少佐の正義感の権化みたいな純真無垢なキャラクターに素直に感情移入できれば尚のこと。
 
 ※以下ネタバレ
 ネタバレというか感想の羅列になるけど、作品自体には一切の不満はない。ただ本気で楽しんでるからこそ腹立ったことが2、3ある。まず共和国がクソすぎる点。人種差別、迫害、虐殺となんでもござれのゴミクズ国家。人類のクソな部分を集めて煮込んでみましたって感じで胸糞だった。あと少佐の親友とか名乗ってるスイーツの性格が終わってて腹立った。少佐を悪魔呼ばわりしたり、自分と同罪だと罵っていたけど、一緒にしないでほしい。なんでずっと胸の内を秘密にしてたのに主人公が1番ピンチの時に追い討ちかけるようなことすんだよ、って思ったらマジで嫌いになった。長いものに巻かれる精神は分かるからシンを裏切った気持ちもわかるし複雑だけど。あとは上司ね。お前主人公に少佐の地位を与えるな、って思って腹立った。親父のことが憎いんか?向いてないの分かってて敢えてあの地位を与えてあの部隊の指揮を任しただろ、って思ってしまった。って感じで物語にのめり込んで楽しめたからこの作品がいかに優れてるかわかるはず。
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