たも

86―エイティシックス― 第2期のたものネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 OPの曲が飛び抜けて最高だった。
 amazarashi初めて聞いたけど、一瞬でファンになった。あの曲とOPのムービー見てると涙が溢れてくるし、普段のアニメはOPもEDも一度見たら飛ばす派だけど、この作品は例外だった。律儀に毎話聞いたし、毎回泣ける。アニメのOP初見で涙が出る経験は米津玄師のピースサインと並んで二曲目。言語化できないけど、集大成みたいな、命を燃やして、キラキラしてる感じがマジで泣ける。
 この作品へのリスペクトと愛を感じる曲だった。

 続けて今作のよかったところ、一期はミリーゼがメインの主人公で、二期はシンになっていたところ。キャラクターの主が変わってくるから当然テーマも変わってくる。ミリーゼは正義、シンは戦闘の才能以外はトラウマしかないからこその人間の生き方って対比がきちんと表されててわかりやすかった。

 11話の1期を見終わって、そのまま2期に突入したからPVやらなんやら一切の前知識無しで見始めた。
 正直1期の終わりでシンたちは死んだと思って、この作品の作者は絶望と希望は裏表が違うだけで本質的には同じと言って見せたり、とんでもない闇を抱えた人物なんだろうと思ってた(笑)言いたいことはわかるけど考え方そのものが絶望寄りに感じていたから。
 だから2期はシンが兄貴のようにレギオンの羊飼いのボスになって、少佐もといミリーゼ大佐と対峙する物語なんだろうなと思ってた。
 シン達が生きていてホッとしたと同時に、あそこまで絶望的で生き残れる希望がない状況だったのに死に切れなかったら、あんだけ舞台が整うことは今後ないだろうし、滅多なもんじゃ死ねないし、抜け殻が一人歩きしてるみたいな虚しさだけが残ってて可哀想に感じていた。
 そんなところにシン達を憐れに思うのは共和国が86に行っていた差別と同じだとレギオンを作った帝国の幼女に指摘されて価値観が多少揺らいだ。
 あの幼女のプロフィールや年齢もなにもわからないからあまり大きな声では言えないけど、性格やら能力やら生い立ちやら境遇やら一つも共感できなくて全然好きになれなかった。だからかわからないけど二期1番の敵に全くこれっぽっちも魅力を感じなかった。殺してやるbot

 あと不満なのはミリーゼが所属する共和国の滅ぼされ方。やっていた悪行は歴史に刻まれるようなとんでもない大罪な上に、生き残った国民は差別が当たり前の救いようのない洗脳にあったままで、現実世界の白人至上主義やらの差別といった忌まわしくて醜い歴史や風習を投影するだけして胸糞悪さだけを残してるのが不満だった。
 86のブタは人間じゃないから兵隊として使っても良いし今日も戦死者ゼロですって言わせてたこの不条理はただの設定だったから今後はもう登場しないんだろうと思うと、一期の思い入れが台無しになるから原作を読んで正しく判断したいとも思った。
たも

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