メモ魔

86―エイティシックス― 第2期のメモ魔のレビュー・感想・評価

4.1
最終回感想の走り書きのみをここに記しておく。
2024.0512
いつかこの作品を見返す時が来た時、今の自分とは違った目線でこの作品を見る事ができるのが楽しみ。4.1点

86エイティシックス23話
戦う理由なんて、そんな大層な理由は自分に無いけれど。
見たい事ややりたい事、そんな事も無いけれど、それでも
【見せたい景色ややらせてあげたい事はある】
今の自分には、戦う理由はそれで十分なんだと。そこまで結論を出せたシンが立派だと思った。
自分が命をかける理由が、その判断基準が自分の中に無いところは個人的にいただけないが、それでも、誰かに幸せになって欲しいと願い命をかける人を責められる人間もまた、1人もいない。

人の様々なありがとうを背中に受けてきたシン。
その殆どが、意思をその先へ連れていくことへの感謝だったが。ニーナのありがとうは、兄を返してくれて、、、のものだった。意思は連れていくのではなく、届くべき人に届ける事もまた有り方の一つであることをここでまた、シンは学ぶことになるんだろうな。

なるほど、reiの鉄片の意味がやっと分かった。
勿論、reiってのはシンの兄の事だと推定するんだけど。それを箱の中に入れず、あえてずっと自分の肌身離さず持っていたのは。兄の背中を追う事を生きる糧にしてきた自分が、兄を手放してしまったら、見送ってしまったら。自分は本当に廃人になってしまうんじゃ無いかって懸念があったからだ。そんな自分の生きる意味を見出せなかったシンが、こうして兄の鉄片を箱に納められた、見送ってあげられたのは、【自分の生きる意味は、兄なしでも自分で作っていける】そう、感じたからだろう。

亡き人の意思を必死で追い続け、亡き人の意思が届いた場所まで、自分も追いつく事。それを全うに生きてきたレーナが、その意思を生きた形で目の前にする事ができたこと。それが嬉しい。

強い意思は絶望を希望へと変え、希望を現実へと変える。その一歩目を自覚していなくても、そのレールにいる時点で、自分の行く末に必ずより良い世界が待っている。自分の道が途中で途切れても、隣のレールに自分の意思を載せれば良い。そうしていつの日か、誰かのレールが、エイティシックスの望んだ未来に行き着く事を夢見て、シンの戦いはまだまだ続く。
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