ゆうそら

フランダースの犬のゆうそらのレビュー・感想・評価

フランダースの犬(1975年製作のアニメ)
4.7
もう、泣くしかないアニメでした。
毎回可哀想な事が多くて、子供の頃見た記憶は、風車が火事になり大変な事になる場面と…あとは記憶に留められない辛さだったのかすっ飛んで最終回。
子供向けだったんだろうかぁと今思うだけでも辛い。世知辛い世の中を知っておきなさいという教訓だったのだろうか…😭

(ネタバレ含むひとりごと)
マッチ売りの少女もそうだったけど最期天に召されていく。ネロはパトラッシュが引く引き車に乗って天高く昇ってゆく。まっとうに生きれば生前辛いことが多くても、あの世では報われるという事を知らせたかったのだろうか…。
ネロは憧れたルーベンスの絵の開帳に間に合い、僕はとうとう見たんだマリア様ありがとうございます。これだけでもう何もいりませんと言って倒れ、息が耐えそうになりながらも…後を追ってきたパトラッシュを気遣い眠るように召される。

ネロが見た憧れのルーベンスの絵は《キリスト昇架》と《キリスト降架》という絵だった。
キリスト降架の絵にはハシゴが描かれていて、それはイエスの遺体を降ろすためだけでなく、イエスの犠牲によって、人類は救われて、天に昇ることができるという意味がある。
ネロの生涯はどこをとっても良いことがなかった。ネロは全く悪くないのに辛い立場に追いやられる。ただ、おじいちゃんとパトラッシュとの暖かい愛情関係はどの家庭より幸せだった。
最終回、ネロはおじいちゃんのお墓参りするのです。そしておじいちゃんに助けを求めるのではなく、家をも手放さなくてはならなかったことを謝るネロ😭😭😭どこまでもおじいちゃん孝行のネロに号泣でした。
全ての冤罪がはれ、ネロの未来が明るく見えかけた頃、彼は昇天していく。全てを背負い、許し。
十字架上のイエス・キリストが人類の罪を背負い神様の元に召された姿と重なった。
雑教の日本人にはキリスト教はわかりにくい世界観ですが、レビュー書きながらそういう事だったのかなって思わせて頂けて、私の中のネロの無念が解放されました(*˘˘*)感謝✨

謙虚な心を取り戻させてくれる素晴らしいアニメです。
ゆうそら

ゆうそら