世界を壊し世界をつくる

地球少女アルジュナの世界を壊し世界をつくるのレビュー・感想・評価

地球少女アルジュナ(2001年製作のアニメ)
5.0
主人公の樹奈が時の化身という地球を守る使者として現代社会の問題を具現化させた怪物ラージャと戦う神秘的な世界観に裏付けられた社会派SFアニメ。
サブストーリーとして樹奈と同級生のときおとの恋愛模様も描いている。
化け物とされているラージャは本当に悪なのか?現状に満足して知ろうとしない人間達にラージャは訴え続ける…
観ていて楽しいようなアニメではなく、興味深く感心するような哲学的で暗い雰囲気を持ち合わせており、その雰囲気を踏まえてメッセージ性のあるストーリーや設定がすごく心に響く。
この作品は、主人公達が環境問題を目のあたりにし、葛藤するところを主人公達目線で忠実に描いていることから、視聴者は自分事として置き換えることができ、一緒に考える臨場感が演出されている。
取り扱う問題も今現在のタイムリーな問題ばかりで現実味のある内容となっている。
ただ、問題を押し付けて極端な事を強いているわけではなく元はこんな良さがあったんだよと、目先の利益にとらわれた結果失われたものや事があるんだよと少しだけ促してくれるようなところがこの作品の良い所。
たった1クールだけどすごく考えさせられます。ファストフード食べるたびにこのアニメを思い出すのだろう。
是非一度みなさんに観ていただきたい名作です。
ラストのいただきますが深い