スカポンタンバイク

SSSS.GRIDMANのスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

SSSS.GRIDMAN(2018年製作のアニメ)
5.0
「グリッドマン・ユニバース」が来るので、少し書いておこうと思い、追記。

この作品に関してはどのシリーズもリアタイで観ており、とにかくこのアニメに関しては言いたい事がいっぱいありすぎて書ききれはしないし、そんな時間も用意できない。
それくらい私にとってはオールタイムベスト級に重要なアニメになってしまいました。正直続編はあんまりやんないでほしいとさえ思っています。

端的に、この作品はかつて(グリッドマンに限らず)ヒーロー作品を観ていた子供が、青年または大人になって、結果憧れのヒーロー(主人公)になれず「退屈」に支配され身動きがとれなくなってしまった、そんな子供たちを救うためのセカンドチャンスの物語なのです。
この物語で何よりも悲しいのは、実質主人公の彼女が自分が生きれる居場所を架空に作ったにも関わらず、その世界ですら自分を主人公にして世界を構築できないという深層心理の呪縛が見える所です。彼女が作った怪獣は深層心理の中で「倒されるべき存在」として存在するため、必然的に敗北を課せられてしまい、決してグリッドマンに勝つことができない。そのため、怪獣が倒されていくのは回を増すごとに痛々しく、涙が止まりませんでした。
そんな彼女を救うには、グリッドマン自身もかつてと同じ方法では叶わないというのも深い。敵を倒し続ける事は何の解決にもならない。彼女はその方法でヒーローになる事ができなかった、こぼれ落ちた子供だから。そこから辿り着いたフィクサービームという回答は、「ヒーローは敵と戦うのが使命ではなく、誰か困っている人を救うことが使命なのだ」というヒーローとしての原点回帰にもなっており、「誰一人置いていったりしないんだ」というメッセージを込めた、どこまでも優しい物語だなと思い、やはり私は泣いてしまうのです。
どうか、この私の思いが砕かれる事が、続編によって起こりませんように...。