えな

ペリーヌ物語のえなのレビュー・感想・評価

ペリーヌ物語(1978年製作のアニメ)
5.0
2022年初見。世界名作劇場18タイトルがprime video見放題になりSNSで人気ランキング1位になっていたペリーヌ物語。そのランキングを見るまで私はタイトルすら知らなかったけれどとりあえず1話を…と思ったら3話くらいまで毎回面白く、家族も誘って1ヶ月かけ少しずつ見続けた。
個人的に本作は三部構成に感じてて、母との旅→ペリーヌのアウトドア生活→フランスでの生活と、どれもそれぞれすごく面白かった。
ペリーヌのお母さん(マリ)が素晴らしいひとで、同業のおじさんたちに営業妨害され、やり返そうとするペリーヌをたしなめるシーンやその後の展開はとても印象的だった。「愛されるにはまず愛しなさい。」という言葉も、天涯孤独になるであろうペリーヌを幸せに導く偉大な教えだと思った。
母と娘の長旅はあまりに無謀でしかもずっとばか正直に生きていくため「もっとうまくやればいいのに」と見ていてもどかしい気持ちが強かった。けれど、そういう素直さが結果的にペリーヌの幸せに繋がっていくことが後々わかって、ひねくれて生きてる私も改心しそうになったほど、素晴らしい脚本だと感じた。ところどころ笑えるシーンがあるのもいい。終わり8話くらいは泣かせるシーンがなくてもなぜか毎回泣いてた。旅で出会ったあらゆるひとのことも1人1人がなつかしく感じられて、前半のロードムービーとしての面白さも秀逸だが後半少女が持ち前の賢さ強さ正直さで成り上がっていく姿はドラマチックでかなり見ごたえがあった。バロンかわいい。パリカールもかわいい。ロザリーとの友情、ロザリーの家族の優しさ。色んなひとが少しずつペリーヌに惹かれて親切にしてくれるようになる人間模様も良いけど工場を経営していく上での職員の待遇を考え、町ごとよくしていこうとするなんて、要素が盛り沢山。終盤はビルフランがペリーヌ好きすぎてなりふり構わなくなり可愛いおじいちゃん。ラストまた不幸がくるのかと心配になりつつ、なんとか最終回をむかえ、忘れられない1作になった。
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