ABBAッキオ

妄想代理人のABBAッキオのレビュー・感想・評価

妄想代理人(2004年製作のアニメ)
4.3
 2004年WOWOW全13話。今敏の作品としてUNEXTにて視聴。今はほぼ絶滅したように思えるアニメによるヒューマン・ドラマを描き続けた今敏の代表作の一つ。平沢進のop/edも素晴らしい。バットをもったローラーコスターに乗る少年が次々人を襲うというサスペンス・ストーリーを下敷きにしているが、社会の歯車として生きる苦しみに耐えかねる日本社会の苦痛がテーマに見える。21世紀初頭の日本社会はバブル崩壊の傷跡がようやく癒えて立ち直り始めたが、急速に進む社会秩序の変化の中で人びとの価値観が変化し、不安感が高まっていった時代だったと改めて振り返る。あの時代の描写としても、日本アニメの歴史を振り返る意味でも、今日この作品が見られることは貴重だし、見られるべき作品だと思う。
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