やまもとしょういち

妄想代理人のやまもとしょういちのレビュー・感想・評価

妄想代理人(2004年製作のアニメ)
3.7
2004年の作品とはいえ、オウムのトラウマからまだ社会が立ち直っていないことが伝わってくる。学業や仕事などによって追い詰められている人々を「救済」する少年バットは何のメタファーなのか、そもそもなぜ人々は追い詰められているのか、ということには決定的な示唆を与えずに、漠然と「社会の空気」として表現するように作られた作品のように感じられた。

少年バットを生み出す人々の心理、そしてそこに仮託される正体不明の悪意はやはりオウム的な何かなんじゃないかと感じざるを得なかった。