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ハートキャッチプリキュア!のTrainのレビュー・感想・評価

ハートキャッチプリキュア!(2010年製作のアニメ)
4.5
【まごころを、君に】
いやいや、ネタ抜きに傑作ですよ、これ。これにケチをつける奴にはフローラルパワー・フォルテッシモと私のおしりパンチをキメてやりたい。

美少女感弱めのデフォルメタッチでどちらかと言えば「可愛い」を前に出したキャラデザ、史上最弱の主人公プリキュア、賢くない青キュア...殆どプリキュアを見れてない自分が見ても今までとは違う、異色作であることは分かる。

ハトプリで一番特徴的なのが戦うこと自体が他人を救済することに直接繋がっていることだろう。闇の組織、砂漠の使徒は今までの暴れるだけの怪人達とは違い、人間の心の弱さを利用し世界を枯らそうする、『ダークナイト』のジョーカー的なことをやっている集団である。人は誰しも「こころの花」を持っており、心に闇を抱えるとこころの花は弱々しく萎れてしまう。スキを見て砂漠の使徒達は萎れたこころの花を持ち主から取り出し怪物へと変化させるのだ。あとはご想像どおりプリキュアが彼らを軛から解き放つわけだが、その被害者達の悩みがリアル過ぎるのである。自分達が普段生きている時にも感じる屈辱や恥などのドス黒い感情がこころの花を枯らさせる。日々その感情に浸かっている為なのか彼らにシンパシーを感じてしまうが割とそういう方は多いのではないだろうか。その共感しやすさがシリーズ最高傑作と呼ばれる所以かと思う。ブロッサムの大きな愛に私も包まれたい。私も救済してくれ!

基本コミカルタッチで進むが終盤は涙無しには見られないような怒涛の展開の連続で、特にラスト5話は深夜アニメ並の熱量をぶつけられるのでこれから見る方は覚悟した方がいい。悪役のさよなら回ですら喪失感が半端ないんだ...
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