回想シーンでご飯3杯いける

ガンダム Gのレコンギスタの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ガンダム Gのレコンギスタ(2014年製作のアニメ)
3.6
【TV/OVA版ガンダムを製作年順にレビュー中】

「ガンダム」シリーズの原作者、富野由悠季が、「∀ガンダム」以来15年ぶりに総監督を務めた作品。「機動戦士ガンダム」制作当初にスタッフの悪戯心から命名された「ミノフスキー粒子」(トミノがスキそう→トミノスキーが語源)を筆頭に、富野ガンダムに共通する設定を引き継ぎ、エネルギー問題や、政治と宗教など、社会問題の風刺を多数持ち込んだ、正にガンダムらしいガンダム作品である。

この作品の直前に富野が手掛けた「OVERMANキングゲイナー」辺りから顕著になった、人間の生命感が、生き生きと描かれているのも特徴。ガンダムのコックピットが便器になっていて、音消し用の音楽が流れるとか、こんなロボットアニメが過去にあっただろうか?

わざと引っ掛かりのある言葉を挟み込む独特の台詞回しも健在で、何処を取っても富野節炸裂の、オリジナリティ溢れる世界観が最高だ。

モビルスーツのデザインも秀逸で、4つの勢力で各々デザインのテイストが異なる。左右非対称だったり、ヤジロベエに似た中世的な風情を感じさせるシルエットだったり、予定調和にならない気概を感じさせる。

全26話の中に様々な要素を詰め込み過ぎた感もあり、終盤はやや置いてけぼりを食らった気持になったのも事実。それを補完する形で劇場版5部作が公開されているので、現在順を追って鑑賞を進めている。