大正時代のヴァンパイアもの。この時代のイラストやポスターを意識したような作画。動きがなめらかじゃないとみる向きもあると思うが、あえてかなと思う。カメラアングルや構図にもそんな雰囲気がある。
原作は朗読劇。導入エピソードからしてそれっぽい作り。この1話目のop が映画的で好きだった。
ストーリーは吸血鬼vs陸軍特殊部隊(人間)で始まるが、次第に吸血鬼同士の戦いとなっていき、後半は吸血鬼の迷いと悲哀が描かれる。
白髪でガスマスクをつけたスワが奥行きのある良いキャラ。前田大佐は背景を知ってもなおミステリアス。山上は切ない。
近頃のモンスター達はどんどん強化されているから、この世界の吸血鬼に弱点が多いのが新鮮。心臓を刺せば死ぬし、匂いに弱いし、水には沈むし、日光でちゃんと燃えてなくなる。
吸血鬼を弱者として庇護するキャラも居たりする。歳をとらず日中活動できない吸血鬼は、なるほど人間社会で生きるには制限が多く、まさに「弱き者」でもある。
序盤で一度離脱しそうになったが、最終回まで観てみれば満足感があった。主要キャラのうち来栖だけはその後が明確にされていない。こういう時自分は常に生きていると思う事にしている。